ep5 Team奏-久遠誠一郎 ページ23
「京極A……いや、AA」
次の日、放課後図書室へ行こうと歩いていた廊下で目の前に現れた男の子がそう言った
確かこの人は昨日奏さんと一緒にいた人だ
「家族は母のみ、しかし三か月ほど前に他界し京極家へ養子として迎え入れられる。そして何故かここ、ロイヤルフェニックスへ来た。悪いが少し調べさせてもらった」
『……いえ、凄いですね。そんなことわかってしまうんですか』
眼鏡の奥の鋭い瞳が私をジッと見ていて、体に緊張感が走る
「前の学校では成績優秀、常にトップを走り。この学園の学力テストの結果も好成績だったそうだな」
『はい、まぁ……』
「そしてここからは俺の予想だが、京極家に入ったのもここへ来たのも奏のお父様が関係している」
『……』
「だが、君と奏のお父様との情報は一切出てこなかった。一体どんな関係なんだ」
『どんなと言われましても……母が、知り合いだっただけです』
一体なんなのだろう
まるで取り調べされているような感覚に嫌な気持ちが芽生えてくる
『奏さんのお父様には感謝しています』
「そうか。それで君は――何を企んでいる?」
『は――?』
「京極尊人に何か言われたか?それとも自分の意志で奏に近付こうとしているのか?」
靴を鳴らして近づいてくる彼に後ずさりして、壁に着いた背中
彼の言葉が柔らかいものではないとわかるが、今のはさすがにカチンときた
『別に、何も企んでいません。尊兄は関係ないし、まず先に近付いてきたのはそっちじゃないですか』
だから彼の体を押して距離を取った
『きっと貴方は奏さんと仲が良くて奏さんのお父様のコネで入ったような私が怪しく見えるかもしれないですけど、私何も企んでませんから』
「……」
『近付くなって言うなら近づかないんで。それじゃあ』
そう言って頭を一つ下げると図書室へ向かった
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成田(プロフ) - 綾瀬さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!これからも頑張りますので、また読みに来てくださると嬉しいです☆ (2020年1月3日 20時) (レス) id: 9a366f7078 (このIDを非表示/違反報告)
綾瀬 - 毎回とても楽しみです。頑張ってください (2020年1月3日 19時) (レス) id: 006049a680 (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - 滴さん» こんばんは。ご指摘ありがとうございます!「ら」が抜けていましたね!直しました! (2019年10月19日 22時) (レス) id: d5fb161253 (このIDを非表示/違反報告)
滴 - こんにちは(*^^*) かなりお久しぶりです(笑) 物語読んでいて気が付いたのですが...。 ep.4 Team奏▽ページ20のここの部分 何これ、私もはけた方がいいのだろうかと頭の隅でそんなことを考えなが応えれば これ正しくは考えながらではないんでしょうか? (2019年10月17日 12時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - 滴さん» こんばんは。コメントありがとうございます、読んでいただきありがとうございます!本日更新致しましたので、また読んでくださると嬉しいです★ (2019年6月2日 22時) (レス) id: 9a366f7078 (このIDを非表示/違反報告)
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