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...来ちゃったよ。









大貴「んと、とりあえず先にシャワー浴びてきたら?」

『...いや、あの、』

大貴「ここまで来て遠慮しないでって、ね?あーあれか、手ぇ出したりしないから。」

『...はぁ。ありがとうございます。』





モダンな部屋を間接照明が少しだけ明るく照らす。
全く予想通りのオシャレな内装だった。







来ちゃったよ、彼の家に。
って言っても特に緊張してる訳でもなく。


ただここまでして貰っちゃうと、さすがに有岡くんを邪険に扱う訳にも行かなくなっちゃうじゃん。







大貴「ほら、早く。」



立ち止まったまま動こうとしない私を急かす。
背中を押すように触れた彼の手。
そのまま押されるようにして数歩進んだ私は、また立ち止まる。








濡れた服は肌に密着したまま、彼の手は背中から離れた。








大貴「はぁー、なに。そんなに俺になんかしてもらうの、嫌?」








背中側から聞こえたそれは、半ば呆れ混じりの声。
そのまま振り返らなかった。
質問に答える気もしなかった。







『...有岡さん、意外だって思ったでしょ?私が有岡さんの家に来るのを拒むの。』

大貴「んー、まぁ。すぐ着いてくるとは思ってたかな。」

『ふふ、ひどいですね、まぁいつもはそうなんですけど。』






クズなのは見抜かれてる。
繕う必要もない、と。


じゃあなんでここまでしてくるんだろって考えると、
そっか。ほんとに全部彼の善意なんだ









『シャワー借ります。ありがとうございます。...ほんとに。』






ただ、淡々と。
初めてだった。
男の人の家に上がって、ここまで拍子抜けするようなやり取りをするのは。






キスも、ない。
ハグも、ない。
お互いを求めることも、ない。








肩の力が抜けた気がした。

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himawari(プロフ) - 有岡担さん» 1年越しのレス失礼致します。ありがとうございます!とても嬉しいです!まだHey! Say! JUMP好きですか?良かったらまた見てくださいね! (2021年11月2日 23時) (レス) id: bbb7ea1a79 (このIDを非表示/違反報告)
有岡担 - はじめまして!あの、このお話を見たときにもう最高かと思いました!続きも待ってます。 (2020年7月31日 16時) (レス) id: a06e75bb6c (このIDを非表示/違反報告)
himawari(プロフ) - マリナさん» マリナさん、コメントありがとうございます!頑張ってかきたいと思います! (2019年1月31日 19時) (レス) id: 9a53dee1e8 (このIDを非表示/違反報告)
マリナ(プロフ) - 初めまして!一気に世界観にハマってしまって主人公ちゃんの幸せの続きが気になりました!更新待ってます! (2019年1月30日 4時) (レス) id: bbedea094b (このIDを非表示/違反報告)
himawari(プロフ) - maimaiさん» ありがとうございます!普段は読まないのに、読んで下さってるっていうのは本当に嬉しいです!!つい更新してしまいました...! (2019年1月21日 8時) (レス) id: 9a53dee1e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:himawari | 作成日時:2018年8月25日 21時

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