第9話 残り10秒 ページ11
「なぁ、どうやって電気を防いだんだ？」
『「雲母」という絶縁体を盾状にした。それだけ』
「へ、へぇ…」
ｽﾞｷ
『っ……』
Aは、上鳴に気づかれないように顔をしかめた。
図鑑を見て初めて作ったので、完璧にはできなかった。
身体が少し痺れて、上手く力がでない。
(もうすぐ制限時間…そうすれば私達の勝ちだ。)
そう思っていた。しかし……
「ここにいたのか」
『！』
「轟！」
痺れで警戒が甘くなっていたのか、声を聞くまで気がつかなかった。
Aは1歩下がり、臨戦態勢をとる。
「時間がねぇ…すぐに終わらせる」ﾊﾟｷ
轟は右手から氷を出し、Aを凍らせようとした。
『…させないよ』
Aは右手に炎を纏い、それを氷にぶつけて相打ちにする。
「！？お前、炎使いか…だったら手加減するわけにはいかねぇ」
『！』
無表情な顔が、変わった。
顔だけじゃなく、雰囲気も……
ﾊﾟｷﾊﾟｷﾊﾟｷ！
先程よりも規模の大きい、部屋全体が凍るような氷。
「ちょっ、轟！」
上鳴の声だ。
仲間である上鳴の身体も、氷は少しずつ凍らせていく。
Aは上鳴をチラリと見る。
手加減をしないと彼が言ったのならば、自分よりも上鳴の方が危ない。
残り約10秒。
上鳴と核、どちらを守るべきか。
痺れた足に鞭を打ち、Aが向かった先は……
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「大丈夫ですか？Aさん…」
『たいした事ないよ。百、ありがとう』
「…！ええ！ゆっくりお休みになってくださいね」
百は失礼しましたと言い、保健室を出ていった。
「全身麻痺に凍傷、あんたも結構無理したねぇ…」
『緑谷君ほどではありません』
私の隣のベッドには、緑谷君が寝ていた。
対戦の結果は……引き分けだった。
上鳴君の氷を溶かしている間に、自分の身体のほとんどが凍ってしまい、時間切れとなった。
本来ならば、私と切島君が行動不能で「負け」だ。
しかし私が上鳴君を助けようとしていた事が評価され、「引き分け」という形になったのだ。
講評の時、百が仲間を凍らせようとした轟を、少し厳しく評価していた。
まあ、当然と言えば当然だ。
(あの時……)
あれは、憎しみのこもった目だった。
彼と炎には何の関係が？
(……今考えてもどうしようもないか)
そんな結論に至ったAは、一眠りしようと目を閉じた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
轟がゲスい感じになってますが許してください。
彼にも色々とあるんです。
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蒼鈴蘭(プロフ) - ゆともすさん» コメントありがとうございます！！かわいいよりかっこいいを目指してます(笑)なかなか忙しくて更新するのが大変ですが、がんばります！！ (2018年8月29日 19時) (
レス) id: 61752baa50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆともす(プロフ) - 主人公めっちゃカッコイイです！(´∀`) 続き待ってますー！頑張ってください(*^^*) (2018年8月28日 4時) (レス) id: 0710793742 (このIDを非表示/違反報告)
蒼鈴蘭(プロフ) - 桜瀧さん» ありがとうございます！！楽しみにしていてください！！ (2018年6月30日 18時) (レス) id: bbd138654f (このIDを非表示/違反報告)
桜瀧(プロフ) - ドラゴンの個性、めっちゃ好きです！！これからも更新楽しみにしています！ (2018年6月28日 18時) (レス) id: 83b4a1d791 (このIDを非表示/違反報告)
蒼鈴蘭(プロフ) - アロマさん» コメントありがとうございます！これからも個性をどんどん使っていくので、楽しみにしていてください！ (2018年3月12日 20時) (レス) id: 6d02c817f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼鈴蘭 | 作成日時：2018年3月4日 22時
