蓮巳敬人の奮闘記 ページ6
Side.Keito
「貴様は何度言えば分かる!?奇人並みだ!」
『せんぱーい!それは奇人の皆さんを下に見ていると捉えてよろしいでしょーかー!?』
挙手して発言するという小学生のような彼女。俺の後輩兼プロデューサー。俺の好きな人でもある。
俺がこんな変人を好きになるなんて、誰が思うだろうか。さっきいった通り、こいつの行動は奇人並みで幼稚だ。
今は俺が生徒会の仕事をしている時に後ろからペンを投げてきた事に対して説教をしている。
『そんなことで怒るとか先輩幼稚〜』
「貴様程ではない。前より被害が少ないとはいえ、何度も何度もしていると見て見ぬふりは出来ん」
『先輩、いつも見ぬふりしてないですよ。鬼副会長』
「貴様が奇行に走るからだろう…」
呆れて溜め息を吐く。自分でも、何故こんな厄介な奴を想うのか分からない。
『あ、そうだ先輩!生徒会室に来た理由すっかり忘れてました!』
「悪戯のためだろう?」
『それもあるけど違いますよ!今度の衣装、鬼龍先輩に見せてもらって、それに合う小道具持ってきました!』
じゃじゃ〜ん!と口に出して、赤に金色の装飾がしてある細長い箱3つと大きくて細長い箱3つを出す。
『これが颯馬の傘と扇です!』
青紫の藤が描かれた傘と扇を取り出す。
『これが鬼龍先輩!』
赤い鬼灯が描かれた傘と扇。
『蓮巳先輩がこれです!』
緑色の胡蝶蘭が描かれた傘と扇。
『先輩達の色に合わせました!』
にこりと笑う彼女は気付いているのだろうか。
胡蝶蘭
「幸福が飛んでくる」「純粋な愛」
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作者名:扇@crew | 作成日時:2019年3月25日 13時