勇者の奇跡 ページ6
なんとかドラゴンからの追跡をくぐり抜け
太陽の光照らされる外に出れた
のは、いいんだけど･･･
「･･･！こんな所で･･･！」
そこは、絶壁だった。
他に逃げ場などない･･･
「おい！いたぞ！」
まさに絶望的と言ってもいい。
兵士と逃げ場のない絶壁に囲まれてしまったのだから･･･
青年さんが私と勇者様の肩に手を置いた
「･･･いいか二人とも
このままだと俺もお前らも牢獄の中で生きるようになっちまう･･･」
「･･･そんなの嫌だ。僕にはまだやることがある！」
勇者様の強い意志が溢れている。
私も同じ気持ちだ
こんな所でくたばれるものか･･･！
「･･･俺は信じるぜ。勇者の奇跡ってやつをな！」
すると青年さんはフードを取った。
綺麗な青髪、青い瞳
顔が整った人だ
「俺の名前はカミュ
･･･覚えておいてくれよな」
カミュさんはニヤリと笑った
私と勇者様はこくりと頷き、3人で崖から飛び降りた。
･･･
「･･･っ。ここは･･･？」
「起きたのか。怪我はないか？」
カミュさんが私の顔を覗き込んだ。
間近で見ると本当にかっこいい
「･･･はい。」
「イレブンはもう起きて外にいるぜ
･･･で？お前の名前は？」
「私の名前はAです。」
ぎこちなくも自己紹介をした。
彼はふわりと笑った
「Aか、いい名前だな
･･･それとあの時は助けてくれてありがとう」
「いえ･･･とんでもないです」
「なぁ。敬語じゃなくてもいいぜ
むしろタメで喋ってほしい」
いや、年上の人には敬語じゃないと･･･！
と変な理屈を告げるとまたカミュさんは笑った
「ははっ･･･俺はそんなの気にしねぇよ
それによ、さん付けされるのはちょっとムズ痒いんだ。いいだろ？」
「分かった。宜しくね」
私は答えるように笑った
「･･･やっぱ可愛い」
何故かそっぽ向いて変なことを言い出すカミュ
「･･･？」
「いや、何でもない。ほらシスターの所に行って礼を言いに行くぞ」
･･･
「あら。もう一人のお連れの方は大丈夫ですか？」
「はい。お陰様で･･･有難うございます」
「あの時、外から青い光が見えて
あなた達３人を水から守るように包み込まれていたんですよ」
「･･･えっ？」
それはきっと
水のアミュレットが無意識に動いていたんだろう
「･･･それよりもデルカダールでは
悪魔の子とその仲間二人が抜け出したとか･･･」
「･･･っ。それは大変ですね」
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作者名：神道守 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年8月13日 4時
