追うもの、追われるもの ページ5
「くっ･･･！やばいぞコレ･･･！」
橋の両側からジワジワと近寄ってくる兵士達
私たち、ここで捕まっちゃうのかなと思っていた瞬間
「っ！きゃあっ！」
「･･･うわぁぁっ！」
橋が、崩れたのだ。
そのまま橋のど真ん中にいた私たちは
少しの兵士と共に水路に落とされたのだった
･･･
目を覚ますと、地下水道の奥のところの道にいた。
「いてて･･･2人とも大丈夫ですか？」
「俺は大丈夫だ」
「私もです･･･」
どうやら2人とも無事みたいだった･･･
もしあの時、あの橋が壊れなかったら私たちは無事で済まなかったのかもしれない･･･
まだクラクラする体を起こして
一本だけの道を見る。
なんとなくだが･･･あの奥に出口があるかもしれない
「･･･もうあそこからしか行けないみたいだな」
「ここにいたらまた兵士が追いかけてくるかもしれない･･･早く行きましょう」
私は勇者様の手を取った。
その白い手からアザが良く見える･･･
さっきのは勇者様の奇跡かもしれない･･･
と考えながら私たちは歩き出した。
･･･
少し開けた道に出ると
男の人に「待て」と言われた
「･･･何かがいるぞ」
少し暗くてよく見えなかったが･･･
何か危険な感じがした。
目を凝らしてよく見ると
大きなドラゴンがこちらを見ていた･･･
「っ！！」
まずい、このままじゃ全滅してしまいそうだ！
あのドラゴンは今の私たちにでは勝てないだろう･･･
「･･･逃げるぞ！」
走り出した音を聞いてドラゴンも追いかけてくる･･･！
捕まったらそれでこそお終いだ･･･
とにかく安全な所に行かなければ･･･
全力で走り、落石を避けながら
辿りついたのはさっきより広い道だった。
でも、そこは崖から降りなければ下に行けなかった。
「･･･降りるぞ！」
3人で飛び降りた。
幸い、誰も足をくじいてはいなかった
「た、助かったんですかね･･･？」
「･･･それなら良いんだけど･･･」
そんな希望も直ぐに無くなった。
だって、崖の上にドラゴンがいるのだから･･･
「くそッ･･･おい二人ともまだ走れるか？！」
「僕は大丈夫です！」
「私もです！」
みんなで走ろうとした･･･するとその時
ドラゴンが青年さんに急に襲いかかってきたのだ！
「青年さん！危ないッ！」
彼に体当たりをし、なんとかドラゴンの攻撃は避けられた。
「っ･･･すまねぇ！」
「大丈夫です。それよりも早く逃げないと･･･！」
私たちは走り出した
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作者名：神道守 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年8月13日 4時
