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「そういえばまふのとこ結婚すんの?」


「あぁ、うん、明日婚姻届出しに行くんだよね。」


端的に言うと、僕らは結婚する。

先に惚れたのは僕の方で、告白したのも僕。

それこそ最初はもっと可愛い子がよかっただとか愛嬌がある子がいいだとか脳内で好き勝手に言っていたけれど、僕はまんまと彼女に惚れてしまった。正直これには自分でもマジか、と思った。

計五回。たったそれだけの食事で嫌という程彼女の魅力を知らされた僕は緊張しながらも告白をした。
特に告白する意味もなかったけれど。

だってもしも僕の片想いだったとしても結婚はできるから。それでも僕は彼女の想いを尊重したかった。大好きだから、大好きになってしまったから。実際、彼女に断られたら婚約は解消するつもりでいたし。


「実は俺も結婚するんだよ!

相手が超美人で、お姫様みたいな子でさ!

見る?ほら、この右の子なんだけど…。」


「へぇ、うわ、本当だ…美人だね…。」


「だろ!?言葉遣いも綺麗でさ、顔はいつ見ても可愛いし服のセンスも良くて、性格まで良いんだよ!」


「ふーん、でもそんな人と両想いってすごいね。」


「え?」


僕と同じように政府から婚約者を提案された友達とご飯を食べに来て、近況報告をし合って、そこまでは僕にとっても彼にとっても至って普通の事だった。

僕が何気なく放った「両想い」の言葉に、目の前にいる彼は意味がわからないというような顔をしてみせた。


「両想いかどうかとか知らないんだけど」


「……え?」


「いや、だって俺さえ結婚したいって言えば結婚できるんじゃん」


「まぁ、そりゃそうだけど…好きなんでしょ?」


「好きだよ?」


「好きなんだったらその子の気持ちも尊重してあげた方がいいんじゃ…。」


「え、じゃあ逆にまふは両想いって分かってるの?」


今度は僕が「意味がわからない」というような顔をする番だった。
だってそんなの、相手のことを何も考えてない。


「僕は一応ちゃんと告白して両想いだったよ?」


「お前律儀だな…なぁ、ちょ、お前の相手の顔見せてよ!」


「いいけど…ほら、この子。」


僕がスマホの画面を傾けていつか2人で撮った写真を見せると、彼は「…なんか、言っちゃ悪いけどさ、普通だな」と零した。


「まふって良い奴なんだしさ、20歳になるまでにちゃんと相手作ってればよかったのにな。」


分かっていたけれど、やっぱり僕のお姫様は他の人にとってのお姫様じゃなかったらしい。

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関西風しらすぅ@坂田家 - 坂田さんの絵本描いてる設定とかリアリティありすぎて好きです。幼いセンラさん天使すぎな。 (2019年6月16日 11時) (レス) id: f34e486c2f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作者一同 | 作者ホームページ:***  
作成日時:2019年5月3日 1時

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