どうせなら、同棲でも。【Hokuto.y】

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「最初に会った時、Aがめっちゃ子犬みたいな子やなあ、って言ってくれたのも覚えてるし」
「えっ私そんなこと言ってたん！？」
「あ、関西弁！かわいい！」
「しまったつい、」
「あと最初の日に寝起きかっこいいって言ったのも、寝れなくてゲームした時恋愛対象に入るか聞いたらすきって言ってたのも覚えてる」
「わー！！！あれ！？私言った！？ほんまに！？」
「かわいー、はずかしい？」
「ちょ、こっち見ないで！！」


耳まで赤くするAの顔を覗き込むと、泡だらけの手でガードされた。
はあ、本当に可愛い。
勿論毎秒可愛いけど、恥ずかしがった時のリアクションは、Aの可愛い行動ランキングベスト3に入ると思う。


「あと、ほくちゃんしか見えないって言ってたのも、顔は翔吾よりほくちゃんのがタイプって言ってたのも、ほくちゃんとだから同棲が楽しいって言ってたのも、ぜんぶ、覚えてるから」
「いや言ってないですよねそれ。怖いわ、なんか事実っぽいの混ぜてくんのが」
「えっどれ！？」
「うーん、翔吾より顔はタイプってやつ」
「ま、まじ！？じゃあもうあの頃から始まってたじゃん！うわあ何してたんだろ俺…」
「でもらんぺーじの中だったら藤原樹くんが好きかも」
「好きって言うな！！他の男見るの禁止！！名前出すのも禁止！！」
「ごめんて〜！」


全く悪びれる様子のないAに、だんだんイライラしてくる。

しかも樹って、全然俺とはタイプが真逆じゃん。
くそ油断してた、樹だけは絶対一生会わせない。
いや他のメンバーにも会わせる気無いけど。
樹の顔が好きならまこっちゃんとかも危ない、てか健太さんも壱馬も陸さんも他のメンバーもみんなヤダ。

あー、樹の顔Aの記憶から消えないかな。


「…傷付いた、癒して」
「えっなにが？」
「俺の純粋な心が！」
「ほくちゃんも、タイプの人とか好きな芸能人とかは別でしょ？」
「そんなわけないじゃん！俺はA基準だし、どんだけ似た人探してると…」
「？」


やばいなんか余計なことまで言った気がする。
これ以上は墓穴を掘りかねないので、Aが何が？の顔をしているうちに口を噤む。
はあ、その顔かわいすぎ。


「…とりあえず、お詫びは一緒にお風呂でいいから」
「かんがえとくね」
「……えっ待ってえっ！？Aほんと！？ねえAまって！！！」



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