それは生き地獄 ページ1
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本日付けで、仕事が無くなった。
正確に言うと世の情勢を鑑みて約1ヶ月弱、仕事が休みになった。
1ヶ月の中には、在宅勤務やオンライン会議も含まれてはいるけど、それでも持て余す時間の方が多いだろう。
さて、今日からどうしよう。
暫くここも通らなくなるであろう職場からの帰り道、ぼーっとそんなことを考えていた。
目眩くスピードで情勢が崩れていく世の中を、どこか他人事のようにテレビ画面越しでしか見てこなかった。
もしかしたら自分の環境も変わるかもしれないもんなあとぼんやりとは考えていたが、ついに平々凡々な自分の日常にも影響が出るとは。
けれど、急にポンと長い休みを与えられてもぶっちゃけ何をしたらいいかわからない。
こんなに時間ができるなら何か熱中できる趣味でも作っておけば良かったな、と後悔するけど後の祭りだ。
取り敢えず、自宅待機ということなので暫く分の食料でも買って帰ろうとスーパーへ足を向けたところでふとスマホがピコンと通知を知らせる。
連絡を取る相手も多くはない。
誰だろうとスマホを開くと、その相手はここ暫く連絡を取れていなかった飲み友達だった。
" しばらく仕事なくなった "
そこには、飾り気のない一文が一つ。
幾日かぶりのやり取りだったが、何の脈絡もなくポンとそれだけ送ってくるのが、何とも彼らしい。
既読をつけてから、タイムリーなことに私もそうであったのですぐさま返事を送ってみる。
送信ボタンを押すと間髪入れずにつく既読。
おっ何か打ってるなと少し返事を待ってみようかと思うと、返事が来るより先にブーブーと聞き慣れたバイブ音が手の中で震えた。
着信を知らせていたのは、正に今やり取りをしていたその人で、すぐに応答する。
「もしもし?ほくちゃん?」
" A仕事なくなったの? "
「あっ、うん。ほくちゃんもでしょ?しばらく暇になるけど、まあでも今まで忙しかった分良いリフレッシュになるかもね」
" … "
そこまで思っていた事を矢継ぎ早に喋った後で何故か流れるのは沈黙。
あれ、喋りすぎたかな。
ざあっと画面越しに聞こえた風の音のみ。
ほくちゃん?と聞き返すその前に、ソレはいつものマイペースな口調で、まるでおはようの挨拶かのようにさらっと事もな気に告げられたのだ。
" ね、一緒に住もうよ "
「…………は?」
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も。(プロフ) - usaさん» コメントありがとうございます!この一番もどかしい時間を楽しみながらのんびり進めていけたらと思います。更新ペースも早い方ではないですがまた覗いて頂けたらと思います(T_T)ありがとうございました! (2020年7月21日 13時) (レス) id: db66c21382 (このIDを非表示/違反報告)
usa(プロフ) - 今回の更新もとっても面白かったです。早くほくちゃんとくっついて欲しいような、付かず離れずのもどかしい距離が楽しいような…!今後の展開も楽しみにしていますのでご自身のペースで無理せず更新がんばってくださいね。引き続き楽しみにしております! (2020年7月20日 22時) (レス) id: c80ccd6f24 (このIDを非表示/違反報告)
も。(プロフ) - 飴さん» ご意見ありがとうございます^ ^長文かつストーリーが遅いことは明記させて頂いており、また趣味かつ自己満足の作品ですので読んで頂くことを強制しておりません。合わないと思いましたら読むことを辞めて頂いて構いませんよ。お時間を割いて頂きありがとうございます。 (2020年7月18日 15時) (レス) id: db66c21382 (このIDを非表示/違反報告)
飴 - 何度も続けてのコメントですみません。 長々と失礼なコメントで失礼致しました。 それでは...。 (2020年7月17日 19時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
飴 - またまた続けてのコメントですみません...。 そして台詞の行間隔あけたほうが良いと思い ました。 行間隔が詰まっていると読みにくいので...。 (2020年7月17日 19時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:も。 | 作成日時:2020年4月25日 23時