どうせなら、同棲でも。【Hokuto.y】

綺麗なものには棘があれ ページ45

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「…というわけで、一応その、お付き合いすることになりました」
" うわあ！なんや自分のことみたいに嬉しいわあ、にしても時間かかったなあ "
「ほんまに？私はありえへんと思ってたからそれはわからんわ」
" 俺がいつから見守ってきたと思っとるん！ほくちゃんなんて殆ど一目惚れやもん "
「ほんまに言っとる！？こんなんに！？目え腐ってるんやないの！？」
" そんなことないて、ばっちりほくちゃんのタイプやもんA "
「ええ、そうなんや…」


そうかあ、ほくちゃんてこんなんがタイプなんや意外。
目が肥えてると思ってたけど、逆に意外と普通な感じが好きなんかもなあ。
知らんけど。


ほくちゃんがお仕事に出かけた日。
1人なってすぐに久しぶりに翔吾から着信があって近況報告をする流れになり、ほくちゃんとのことを伝えてみた。
まだほくちゃんから聞いてはいなかったみたいで、驚きながらも素直に喜んでくれるのが嬉しい。
今日も可愛い翔吾は私の癒しだ。


そんな風に話しているとがちゃっと扉が開くような音が聞こえて、身構える。

確か翔吾は、メンバー会議に一番乗りしすぎて暇してるって言ってたから、誰か来たのかもしれない。
誰もいないからと開けっ広げに話していたけど、まず翔吾が一般人女性と通話してるんがおかしいし、これ切った方がええんかな。

ソワソワしてる私とは裏腹に、翔吾は画面をそのままに気楽に挨拶をしている。
奥の方から翔吾以外の男の人の声が聞こえてきた。


" おっ、おはよ〜！早いな！ "
" いや、翔吾さんのが早いじゃないですか "
" 時間間違えてきちゃって、いっちゃんも？ "
" いや俺は別に…、誰かと話してます？ "
" あ、忘れてた。いっちゃんも映る？ "
" いや誰すか相手 "
「ちょっ翔吾！」


ノリノリで映す気らしい翔吾は、何故かどことなく嬉しそうだ。

メンバーの名前全員覚えてるかあやふやだけど、いっちゃんって言うと…えっ、ふ、藤原樹！さん！？
途端に緊張してきたのは現金すぎると自分でも思うけど、許して欲しい。
だって相手はドタイプな人だ。
ほぼファン。
ドキドキしない訳がない。


「こ、こんにちは…」
" …あれ、どっかで見たことある気がする "
" PGの大阪におったんよ、だからどっかで会ってるんよなあ "
「あれ！？そっか、確かにそんな気がする、」
" A良かったなあ、いっちゃんのこと1番タイプって言っとったもんな！ "
「ちょっ翔吾！？」



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