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HR「…お前らなにしてんの?」
SJ「……」
「ハ、ハルト…!?」
突然前の入口から聞こえた声に勢いよく振り返ると、あからさまに不機嫌そうな顔をしたハルトがいた。
咄嗟に言い訳を考えるけど何も思い浮かばない。
あんなに甘かったジョンファンの顔が一気に険しくなる。
HR「おい、ジョンファン」
SJ「なに」
HR「寄越せよ。そいつに用事あるんだけど」
SJ「は?なんでだよ、今は俺といるんだけど」
HR「先約は俺だ」
SJ「……Aちゃん、用事ってこいつ?」
「えっ、いや……はい……」
ハルトはズンズンと近づいてきて私たちの前に立つ。
ジョンファンの後ろに隠れる私の腕を掴み、「お前、約束破んの?」と圧をかけてくる。
ビクビク震える私に構わず、グイッと腕を引っ張った。
HR「お前は俺の犬。そう言ったよな?」
「ひっ…」
SJ「おいハルト、手離せ」
HR「ジョンファン、こいつは俺の犬だ。許可なく手出すな」
SJ「は?何言って…」
HR「てめえもフラフラ尻尾振ってんじゃねえよ」
「や、ちょ、ちょっと待っ……!」
ハルトはそういうと、いきなり私のシャツを乱雑に引っ張り、あらわになった肌にガブリと噛み付いた。
混乱よりも先に猛烈な痛みに襲われる。
離そうとしてもきつく抱きしめられて身動きが取れない。
「いッ、たい……!やだ、ハルトやめてっ…!」
SJ「ハルト!!」
HR「ああクソ……暴れんなよ」
肩を叩いて抵抗してようやく離れた。
ふらつく私を咄嗟にジョンファンが支えてくれる。思ったよりも筋肉質な腕だった。
噛まれた場所がジンジンと痛くて熱を持っている。
痛みで止まらない涙が床に落ちていく。
「…な、なんでこんな……っ、」
HR「お前は俺の犬、そうだろ?それはその印だ」
「っ…、!」
こいつの前で泣いてしまったことが悔しくて涙を拭う。
噛まれた場所を見るとぷっくりと血が出ていて、通りで痛すぎるわけだと納得する。
ハルトはそれを見て少し笑い、ペロリと口を舐めた。
HR「いい感じじゃん」
「最低……!ほんとありえないっ……どっちが犬よ…!」
HR「お前だろ?犬は。まだ分かんねぇなら首輪でもつけてやろうか」
「……っバカ!!最低!!」
煽られているのか本気なのか。
真相は分からないけど目を見る限り後者っぽい。狂ってやがる。
HR「じゃあな、明日は約束破らずに来いよ、ワンコ」
「っ、……ほんとさいってー……!」
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うちゅちゅちゅじぇひょくん - コメント失礼します!今まで見たtreasureの妄想の中で一位になるくらい面白いです笑キャラも最高だし、ところどころのツッコミ?とか主人公の性格も面白いし似てるというかとにかく最高です!応援してます! (6月18日 16時) (レス) @page45 id: 30883e7dee (このIDを非表示/違反報告)
にょっぱ(プロフ) - 大車輪に毎回吹き出しちゃいます。素敵な作品を掲載して頂いてありがとうございます!これからも応援しています♡ (6月11日 23時) (レス) @page26 id: 3902eee54d (このIDを非表示/違反報告)
どりぃ(プロフ) - じぇさん» 書き手再開しました。お待たせしました。また自分のペースでちまちま更新していきますm(_ _)m (5月2日 16時) (レス) id: 3103c196aa (このIDを非表示/違反報告)
どりぃ(プロフ) - ?.さん» ありがとうございます。また自分のペースでちまちま更新していきますm(_ _)m (5月2日 16時) (レス) id: 3103c196aa (このIDを非表示/違反報告)
どりぃ(プロフ) - 千春さん» 大変お待たせしました。またちまちま更新していきますm(_ _)m (5月2日 16時) (レス) id: 3103c196aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:どりぃ | 作成日時:2021年11月14日 10時