76、イリュージョン ページ8
がらがらだった体育館に、徐々に人が集まってきた。
上から見ても、列の乱れはない。
スライドの出されたステージ上には、ブンちゃんと仁王以外のR陣が勢揃いして、異様なオーラを放っている。
整列する生徒達は、誰一人2階の私達に気づかない。
しかし、R陣だけはしっかりと私達の方を凝視している。
マイクを持っている柳と目があった気がした。
『…………!!』
声を出さずに手を振った時、最後のクラスが入場してきた。
列の中に一際目立つキャラメル色の髪を見つけて、急激に気持ちが沈むのを感じた。
高橋はこちらに気づいていない。
列が揃った所で、柳が口を開いた。
｢｢皆さん、静かにして下さい。
…今日は我々テニス部活から、重大な発表があります。｣｣
静かな声が響く。
ブンちゃんの顔を見上げると、
｢今回の朝会、柳が企画したんだぜぃ。マジでスッゲーから、とくと見とけよ!!｣
と言って、目の辺りでVサインをした。
次に赤也がマイクを受け取った。
｢｢えーっと…皆さんも、今回の事はよく知ってると思います。…えーと、その……うーん…;
パス!!｣｣
さっと柳生にマイクを渡す赤也。
少し会場に笑いが起こった。
柳生｢｢今回テニス部では、マネージャーがある生徒の顔に傷をつけるという、嘆かわしい事件が起こりました。｣｣
ざわめく会場の中、真田の手にマイクが渡った。
｢｢事を聞いた時は、我々も衝撃を受けました。…しかし｣｣
再び柳生にマイクが渡る。
｢｢我々は皆、彼女に助けられ、彼女と共に過ごしてきました。
これまでの彼女の人柄から、今回の件は信じられない事でした。
…だから我々は真相を知る為、ある調査を重ねて、ついに今日と言う日を迎えました。｣｣
柳にマイクが渡るのを、私は瞬きするのも忘れ、食い入る様に見ていた。
…調査??
何を調査していたの??
柳は一呼吸置いてから、はっきりと言った。
｢｢そして我々はついに、
彼女の無実を証明する、完璧な証拠を見つけました!!!
スライドに注目してください。｣｣
スライドがパッと明るくなる。
BGMの様に体育館を埋め尽くす、人の声。
全てを液晶を通して見ている様な気分の、私の耳に
｢｢イリュージョンじゃ｣｣
と言う、妖艶な声が
やけにリアルに響いた。
ラッキーアイテム
革ベルト
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yn - めちゃくちゃ面白かったです( ´•̥ ̫ •̥` )最後のキスシーンは感動して泣きました！ (2022年2月10日 2時) (
レス) @page19 id: c85f91ed97 (このIDを非表示/違反報告)
栞 - 全部見た、6回位読んだ。何回も泣いて目が痛い。もっといろんな小説書いて欲しい。頑張ってください。 (2016年5月7日 19時) (レス) id: 7d989b00f5 (このIDを非表示/違反報告)
なぁみ＠テニプリ(プロフ) - 全部拝見させていただきました。もう、小説でこんなに泣いたんは初めてです！素晴らしい作品ありがとうございます！ (2015年6月28日 21時) (レス) id: 1b56b07512 (このIDを非表示/違反報告)
はにぃ(プロフ) - こんばんは！初めて拝見させていただきました！もう、3辺りから気づいたら泣いてました。小説とかでないたの初めてです。こんな素晴らしい作品をつくっていただき、ありがとうございました！ (2014年4月11日 22時) (レス) id: 81c414bc0b (このIDを非表示/違反報告)
我の封印されし左腕が疼くｗｗ - コアラ！ (2014年4月7日 17時) (レス) id: ce78beb37d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空豆 | 作成日時：2012年9月26日 17時
