74、契約更新 ページ6
(月) やや曇り
A『…時間だ』
そう呟いた、朝の7時55分。
部屋の窓を閉じると、最後に吹き込んだ海風が黒いウィッグを揺らした。
…なんだか、私と高橋の外見が入れかわっちゃったみたいだな。
そろそろ行かなきゃ。
中身のスカスカなバッグを背負い、病室を出た。
懐かしい制服が、バッグと擦れて乾いた音を立てる。
学校を想像しただけで、キリキリと胃が痛んだ。
グイィーン、と機械的な音を立てる自動ドアの先に
木陰に佇む、仁王がいた。
『おはよう仁王。待たせちゃった??』
仁王｢おはようさん。別に待っとらんよ。
…そもそも、ブン太がまだ来とらんし｣
そう言って遠くを見詰める仁王。
見詰める先に、黒い海。
『そっかそっか。
…朝会なんて、久しぶりだなぁ』
そう言って大きなあくびをすると、仁王は言った。
｢そうじゃのぉ…
でも、今日のは只の朝会じゃないぜよ。
俺達が主催するんじゃ｣
『えっ!!どういう事…??』
訪ねると、仁王はククッと笑った。
｢まーあ…楽しみにしときんしゃい。今日はきっと面白いもんが見れるぜよ。
それより、今日はウィッグなんじゃな。
よく似合っとう｣
『…ありっとう///』
お礼を言いながら、プイとそっぽを向く。
全く、さらっとそんな事を言って許されるのは、あんた位だよ…。
なんて、内心で毒づいた。
仁王｢A｣
『んー、何』
ちゅっ
振り向き様に、不意打ちのキス。
『!!!!????なっ、にすんのさ///!!!』
テンパって思いっきり後退りする私を、仁王はさも愉快そうに笑った。
そして
仁王｢最後に、契約更新ってやつよ。
いいじゃろ??｣
と言って微笑んだ。
『〜〜〜///!!』
《よくないっ!!》って言って、ビンタの一つでも喰らわせてやりたかったけど、仁王には何度も助けられてる。
何も言えない私は、ちょっと剥れてまたそっぽを向いた。
そこで、向こうから走ってくる赤髪の姿が見えた。
ブン太｢わりぃ!!寝坊したわ!!｣
若干寝癖をつけたブンちゃんが到着した。
仁王｢別に構わんよ。じゃあ、行くか｣
仁王は私の頭をポンと叩いて歩き出す。
私とブンちゃんも、その後に続いた。
学校に着いてすぐ、まだ人のいない体育館に入った。
体育館の２階に上がり、二人に挟まれて体育座りをする。
一体何が始まるんだろう。
まるで全身が心臓になったみたいに、胸が高鳴っていた。
ラッキーアイテム
革ベルト
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yn - めちゃくちゃ面白かったです( ´•̥ ̫ •̥` )最後のキスシーンは感動して泣きました！ (2022年2月10日 2時) (
レス) @page19 id: c85f91ed97 (このIDを非表示/違反報告)
栞 - 全部見た、6回位読んだ。何回も泣いて目が痛い。もっといろんな小説書いて欲しい。頑張ってください。 (2016年5月7日 19時) (レス) id: 7d989b00f5 (このIDを非表示/違反報告)
なぁみ＠テニプリ(プロフ) - 全部拝見させていただきました。もう、小説でこんなに泣いたんは初めてです！素晴らしい作品ありがとうございます！ (2015年6月28日 21時) (レス) id: 1b56b07512 (このIDを非表示/違反報告)
はにぃ(プロフ) - こんばんは！初めて拝見させていただきました！もう、3辺りから気づいたら泣いてました。小説とかでないたの初めてです。こんな素晴らしい作品をつくっていただき、ありがとうございました！ (2014年4月11日 22時) (レス) id: 81c414bc0b (このIDを非表示/違反報告)
我の封印されし左腕が疼くｗｗ - コアラ！ (2014年4月7日 17時) (レス) id: ce78beb37d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空豆 | 作成日時：2012年9月26日 17時
