DOPE 麻薬取締部特捜課 3 (ページ11)

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『才木君！才木君待って！』

特捜課を飛び出した才木君を追いかける。
陣内さんが困っているのなら助けたい気持ちは同じだし、何より今の彼が1人で動くのはよくない。

「Aさん、」
『私も行くから、ね？』

才木君を落ち着かせて、2人で街に出た。

《速報です。現職警察官殺害などの疑いで逮捕された、元麻薬取締官、陣内鉄平容疑者が、昨日午後、留置施設から脱走しました》

街頭のテレビからは、陣内さんのニュースが流れている。

《陣内容疑者は今月2日、都内のトンネルで─》

中にはニュースの映像を撮影している人もいて、その関心の高さが伺われた。
陣内さんが居そうなところも、居なさそうなところも、才木君と2人で走り回る。

「絶対見つける、」

陣内さんへの想いは、私も才木君も同じだ。
そしてきっと、特捜課のみんなも。
それでもその日は陣内さんを見つけられなくて、才木君に今日の捜索は止めるよう釘を刺してから解散した。