邯鄲之夢【文豪とアルケミスト】

感謝 ページ36

「待って太宰、歩くの速い」

ご機嫌そうな赤い髪を追う。こっちは怪我人だぞ、なんて下らない反抗を心の中でしてみる。ぴょこぴょこ揺れる林檎のヘタみたいな髪は見ていてなかなか面白い。

「んー？ あ、ごめんごめん」

全く、反省の色も見えない。まぁ、武器のことを教えてくれたのも、攻撃されそうになったときに注意してくれたのも太宰だ。感謝はしている。⋯⋯攻撃は、少し注意するのが遅かったが。

何より、一人で補修室へ行けと言われて、それを実行できる気がしない。必ずどこかで迷うだろう。そしてまた誰かに迷惑をかける。誰なのかも分からない人に迷惑をかけるよりも、よく見知った太宰に迷惑をかけるほうが良いに決まっている。

戦闘はかなりハードだったが、それ以外のここの生活はかなり緩やかなようだった。窓からは中庭で日向ぼっこをしている人が見えるし、廊下を(まるで女子学生のように)並んで談笑しながら歩いている人もいる。

「太宰」
「ん？ なになにー？」

歩く速さを、さり気なく緩めてくれた太宰に、私は後ろから声を掛けた。太宰は、お調子者のようにーーつまり、道化を演じている、とも言えるーー笑顔で振り返った。

「⋯⋯有難う」

不意打ちで言ったその言葉に驚いたのか、太宰は石のように固まってしまった。補修室行くんでしょと、人差し指でつんつんしてみるとまた動き出した。玩具みたいな動きがかなり面白い。

思案→←評価

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキーナンバー

8

ラッキーアルファベット

X

ラッキー方角

西 - この方角に福があるはずです

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す