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41 Your happiness is my happiness. ページ41

私は、若様を失いたくない。
これは本当だ。
しかし、若様の命に背くことは、
私の忠義心に反する。
どうか、思いとどまってほしい。
もう、私のせいで、大切な人を失いたくない。

「若様。ご報告に参りました。」
それでも。
若様の苦しそうな顔を、もう、見たくない。
そんな独りよがりで、あなたに。
伝えなくては、ならない。

「まず、ヴァリテ様は、
殺し屋稼業で、ある程度安定してきています。
将来は、若様を狙うそうです。」
若様はそれを聞くと、声を上げて笑った。
「そうか。目標があるのはいいことだ。」
そう言ってひとしきり笑うと、
それで?と、続きを促した。

「マリ様は、やはり術に
素質がなかったようで……。
現在は、見世物小屋で、人気を博しています。
妙な質問をする馬の骨がいましたが。」
若様は、私と同じように顔を顰めた。
やはり、考えることは同じだ。
若様は、先程より低い声で、
それで?と言った。

「リュウ様は……。
ある屋敷で、働いているのですが。
そこの主と、恋仲だそうです。」

「なっ……。早、過ぎないか。」
早過ぎますね。と、私は返した。
3人の中で最も幼いのにも関わらず、
見初められたのは1番最初というのは、
正直意外だった。
何より、寂しい。

「と、とにかく。
みんな、俺がいなくても、
もう大丈夫そうだな……。」
そんなことはない。
少なくとも、私は若様がいなければ……。

「谷のことは、ヴァリテに任せるとしようか。」
若様が呟いた。
きっとヴァリテ様なら大丈夫だろう。
しかし、私にはある考えがあった。

「若様。お言葉ですが、
私に少し考えがあります。」
ほう、なんだ。と、若様はこちらを見た。

「ヴァリテ様が働いてらっしゃる姿、
本当に生き生きとしておられました。
また、勝手ながら、リュウ様の主について
調べましたところ、
彼の家も富豪掃滅運動の
餌食になりつつあります。
リュウ様が被害を被ることも予想されます。
そこで、ヴァリテ様ではなく、
その主に、谷を任せてはいかがでしょうか。」

何を言うかと思ったら、と、若様は呆れた。
「これ以上、
谷に人間を入れるわけにはいかない。
ルナードの時は降ろし子だったから
良かったものの。」

「若様。降ろし子が死んだ時、
その任は別の人間に受け継がれます。
彼の左目横に、3連のほくろがございました。」
左目横に3連のほくろ。
降ろし子の証。
べルギウスの降ろし子は、彼になったのだ。

42 My regret.→←40 He is on your side.


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設定タグ:シリアス , ペケーニョ・デレーチョシリーズ , アップルパイ   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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作者名:クインテット | 作成日時:2016年7月7日 22時

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