40 He is on your side. ページ40
私が最も心配しているのが、彼女だった。
まだ術が未熟なため、
油断すると術が解けてしまう。
また、年齢も幼過ぎる。
せめて。無事でさえいてくれれば良いのだが。
彼女からは何の音沙汰もなく、
以前行った時勤めていた料理屋にも
その姿はない。
野牛と蠍のシチューを食べ、
代金を払う際、彼女がどこにいるかを尋ねた。
リュウ、という名前を口にした瞬間、
店員の顔色が変わり、
釣り銭を投げつけるように渡された。
二度とこの店には行かない。
さて、どうしたものか、と町を歩いていると、
商店街に差し掛かった。
案外、この辺りの店で働いていないか、と
探していると、
野菜屋の店主と
にこやかに話している少女を見つけた。
間違いない。
リュウ様だ。
私は買い物が終わった時を狙って、
声をかけた。
「リュウ様、私です。」
リュウ様は驚いた様子を見せたが、
辺りを見回し、こっち、と言った。
遅れないように、隣を歩くことにした。
リュウ様は、片足を引きずりながら歩く私に
合わせてゆっくり歩いて下さる。
優しい方に育って良かった。
リュウ様は歩きながら、
近況を話し始めた。
「今は、ある家で働いているの。
そこの人達は、
みんなすごく良くしてくれるし、
実は、そこの主と恋仲なの。」
最後の部分を聞いて思わず転びそうになった
私を支えながら、
リュウ様は続けた。
「何よりね、ケーニさんが
時々家に来てくれるの。
美味しいアップルパイを食べながら、
最近どうだ、って聞いてくれるの。」
やはり、
同じ魔族がいてくれるのは心強いようだ。
とにかく、彼女が無事で良かった。
ところで、なぜ私はいつの間にか
荷物を持たされているのだろうか。
まあいい。
嬉しい知らせが聞けて、
今私は機嫌がいいのだ。
町の外れに立派な邸宅が見えたので、
私は荷物を彼女に返し、こう言った。
「今日はありがとうございました。
その……。あなたの主にも、
よろしくお伝え下さい。」
私の言葉を聞くと、
リュウ様は照れたように笑った。
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作者名:クインテット | 作成日時:2016年7月7日 22時