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い _ VIII ページ8

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夕暮れ時、ポートマフィア本部付近にて。


二人の男女が息を切らして立っていた。



「A…!!」

太宰は数メートル先にいるAに向かって叫んだ。


「治〜!!死ぬなぁ!!」

Aは今にも倒れそうな足取りで、気力を頼りに走っていた。



 ドサッ



太宰の目の前まで走ったAは気が緩み倒れ込んだ。



太宰は手を伸ばし支えようとしたが、瞬時に手を引っ込める。



「ふぅ、…良かった。まだ死んでなくて」

Aもそこのところは理解してるので自分の足で立つ。



「死ねないよ、Aを置いてなんて」



Aは泣いていた。



色々な感情が溢れ出す。

仲直りができてよかった、普通の会話ができた、治が死ななくてよかった、…。



「泣かないでよ、A。私まで悲しくなるじゃあないか」

太宰が云うとAは笑った。



「…私は治が大好きだよ。だから、泣いてほしくない。笑おう!ね、死ぬ時まで!!」

Aの涙は夕日に照らされてキラキラと光っていた。



「私も大好きだよ、大好きな君に死んでほしくない。…大好きな君に生きていてほしい」

太宰は唇を噛み涙を堪えている。



「生きるよ、私は。アンタ、私の異能忘れたの?」

同様にAは笑って堪えていた。



「信じるよ」



「信じてよ」



二人は微笑み、マフィアを目指した。





































が、そう簡単な世の中ではない。





 _____ドンッ





「え…」



歩いている途中にAが誰かとぶつかった。

しかも、太宰の方に倒れる形で。



太宰は先刻の腑抜けたAの声で振り返る。



「な、んで…」



太宰は避け切れなかった。



太宰の胸にAが倒れ込んだ瞬間に青い光を放ち消えていった。



「A…?A!!」



太宰は自分の胸を触るが感覚はない。



目の前にも誰もいない。


カシャンと音を立てて落ちたのは、Aの胸に撃ち込まれた銃弾だった。



「あ、あぁ…」



太宰は突然の終わりで呆然と立ちすくしていた。



もう、Aは此の世に居ない。

もう、Aと喋れない。

もう、Aと会えない。



死なないって信じた矢先にこれだ。



太宰は道端にも関わらず、大声で泣いた。



血の付いた銃弾を握りしめて。




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結愛 - ……おさむんの夢主を思う気持ち伝わって泣けた。うん (2023年2月28日 22時) (レス) @page3 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - なんか泣けました。サイコー( ;∀;) (2020年4月18日 0時) (レス) id: b9064fdf81 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:遠藤氏 | 作成日時:2020年4月13日 10時

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