23 PM 0:23 ページ42
『ねぇ、緑間くん。』
「なんだ?」
『中学の時、1度だけ、私とあ…主将が喧嘩したことがあったじゃん?…あの時どうやって仲直りしたんだっけ?』
「主将?…なんでお前は赤司のことを名前で呼ばないのだよ?」
『…今はそれ聞かないで。』
そう言うと眉をひそめた緑間くん。
「オレに聞かれても知らないのだよ。」
と私が赤司くんの名前を言わない理由を
聞かずに答えてくれた彼を見て
優しいなと思った。
『…だよね。』
だけど返ってきた返答は私の予想通りだった。
確かに緑間くんが答えられたら答えられたで
怖い。
「だが……」
『だが?』
「…また気がついたら仲直りしているんじゃないのか?」
緑間くんは当然そうなるだろう
そんな表情でそう言った。
……だけど
《また気がついたら。》
その言葉は私の頭の中の悪魔を引き出してきて――
…またっていつ?
すぐに来るものなの?
それとも………
「………A?」
『できるのかな………』
「え?」
『仲直り……本当に……できるのかなッ…?』
私の顔を見てギョッとした
表情を浮かべた緑間くん。
「ちょっ!?A!?何故泣く!?」
この言葉で自転車を漕いでいた高尾くんも
私の異変に気づいた。
「えっ!?真ちゃん!?何泣かせてんの!?」
「分からないのだよ!おい!A!泣き止め!!」
『うぇっ……!あっ……えっ……ふぇ…!』
涙が止まらない。
緑間くんを困らせてることも
高尾くんを戸惑わせていることも
分かっているのに。
止まってほしいのに止まらない。
「真ちゃん!何したんだよ!?泣かせることでもしたの!?」
「してないのだよ!!」
『ごめ………すぐ……とま……から……。』
2人に申し訳なくて
私はなんとかそう言いきると
ポケットからハンカチを出して目元にあてた。
私をどうしようかとあたふたする
2人の言いあいが偉く遠くに聞こえる。
…緑間くんは悪くない。
悪くないんだけど
私は、緑間くんが発した言葉は
とても残酷なものだと
思ってしまった。
《また気がついたら。》
今までの私なら気長にそれを待てたと思う。
だけど……
今の私はそれを23日しか待てない。
1日でも過ぎたら仲直りはできない。
私には時間がないんだ。
…何か行動を起こさなきゃいけないことくらい
分かってる。
分かってるけれど……
何をすれば良いのか、まだ分からないよ――
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アル(プロフ) - マナさん» マナさん温かいコメント本当にありがとうございます。お返事遅くなってしまって申し訳ないです…とても褒めてくださり、本当に本当に嬉しいく思っています!ありがとうございます!また続編の方も更新しましたので見ていただけると幸いです。。。 (2018年12月24日 0時) (レス) id: be6ab72684 (このIDを非表示/違反報告)
マナ(プロフ) - はじめましてマナと申します。設定が面白くて一気読みしてしまったので、普段はコメントしない派なのですがお邪魔してしまいました。本当に発想力をわけていただきたいくらいです(笑)続編も読ませていただきますね。他作品も更新頑張ってください。応援してます! (2018年11月1日 23時) (レス) id: 4d017985c7 (このIDを非表示/違反報告)
アル(プロフ) - ホノボーノさん» ホノボーノさんご指摘本当にありがとうございました!言われるまで全然気づきませんでした。ごめんなさい。即修正しましたので赤司くんの名前を呼んでいるところはないと思います。本当にありがとうございます。以後気を付けます…。 (2018年4月24日 12時) (レス) id: 4bb3709ca5 (このIDを非表示/違反報告)
ホノボーノ - 赤司とよんでわいけないところで赤司と呼んでいましたよ。 (2018年4月23日 23時) (レス) id: d691122adb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アル | 作成日時:2018年3月23日 14時