29 PM 2 :32 ページ19
『ねぇ!』
「…近づくなと言っただろ。」
そう言う彼は不機嫌で。
次は移動教室で授業があるため、
赤司くんは既に準備を済ませて
席を離れようとしていた。
多分、助けてくれたのだと思う。
あの時、赤司くんは助けてくれた――
だから、お礼を言いたいと思った。
近づくなと言われたけれど
せめてお礼だけでも、と―――
でも、その推測は
赤司くんには筒抜けだった。
「どうせ、自分のためにあの先生を脅したとでも思ってるだろ。」
そのニュアンスからして
私は次の言葉が安易に予想できた。
「違う。Aのためじゃない。」
『…っでも「教師として失格だ、ただそう思ったから言っただけだ。勘違いするな。」』
私に目も向けず、そう冷たく言い放った
赤司くん。
何も言えなかった。
「…もう、構うな。」
最後に彼はそう言うと教室を去っていった。
『…ありがと。』
――その後に私の口から零れた感謝の言葉は
教室にまだ残るクラスメートの話し声と
広い廊下に遮られて。
赤司くんに届くことはなかった。
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アル(プロフ) - マナさん» マナさん温かいコメント本当にありがとうございます。お返事遅くなってしまって申し訳ないです…とても褒めてくださり、本当に本当に嬉しいく思っています!ありがとうございます!また続編の方も更新しましたので見ていただけると幸いです。。。 (2018年12月24日 0時) (レス) id: be6ab72684 (このIDを非表示/違反報告)
マナ(プロフ) - はじめましてマナと申します。設定が面白くて一気読みしてしまったので、普段はコメントしない派なのですがお邪魔してしまいました。本当に発想力をわけていただきたいくらいです(笑)続編も読ませていただきますね。他作品も更新頑張ってください。応援してます! (2018年11月1日 23時) (レス) id: 4d017985c7 (このIDを非表示/違反報告)
アル(プロフ) - ホノボーノさん» ホノボーノさんご指摘本当にありがとうございました!言われるまで全然気づきませんでした。ごめんなさい。即修正しましたので赤司くんの名前を呼んでいるところはないと思います。本当にありがとうございます。以後気を付けます…。 (2018年4月24日 12時) (レス) id: 4bb3709ca5 (このIDを非表示/違反報告)
ホノボーノ - 赤司とよんでわいけないところで赤司と呼んでいましたよ。 (2018年4月23日 23時) (レス) id: d691122adb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アル | 作成日時:2018年3月23日 14時