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男の人、二人目
にこにこした表情で現れたその男性
私の腕を掴む男よりは年上で、身なりや佇まいは落ち着いて見えた
ただ、若い男と違うのは
「＿＿＿＿山田さん？」
私とその男、山田さんが、顔見知りだということ
理由は至極明快
彼は私の生業、情報売買のお得意様であり、このパーティーの主催者＿＿つまり、マフィアが殲滅を目論む例の組織の長だからである
「パーティーは皆楽しくなくちゃあいけません」
山田さんは穏やかに云って聞かせ、また、裏腹に力技で私から男の手を離して、チャラ男を追い払ってくれた
「大丈夫ですか？」
出来る限りの笑みを浮かべて、首を縦に振った
掴まれていた腕を何となくさすったのは、男の記憶を拭い去りたかったから
でもとにかく、危機は去ったんだ
助かった＿＿
＿＿＿なんてホッとしたのも束の間
山田さんは、手を押し付けるように差し出してきて、私の名を呼んで云った
「今日のAさんは一段と綺麗だ、あの男がAさんを軟派したのも頷ける」
「え、っと……」
「是非、私と一緒に踊って頂きたい」
嫌だ
咄嗟に出た率直な感想は、その一言で
けれど
「恋人でもいらっしゃるのですか？」
「いえ、そういう訳じゃ」
「なら宜しいでしょう？」
今の私は、この山田さんに、チャラ男の手から助けてもらった身である
云わば大きな借りのある状態な訳だ
断りづらい、否、断るなんて出来っこない
もう、この手を取るしか＿＿＿＿
「＿＿＿＿させるかよ」
山田さんの手は私のと重なることはなく、黒に包まれた手に半ば乱暴に振り払われた
私の体にも同じ手袋をはめた手が、そっと、けれど力強く回されて
「此奴は、＿＿＿Aは俺のもんだ」
遅過ぎだよ、莫迦帽子
やっと来てくれた、私が本当に助けを求めていた人
私を抱き寄せるために、腰辺りに触れてる中也の手は不思議と、ちっとも嫌じゃなかった
むしろ落ち着くのは、気の所為、だろうか
「彼女は、恋人は居ないと云っていましたが？」
山田さんは一変して笑みを歪め、唸るように中也へそう投げ掛ける
対して中也は、一息置いた後、挑戦的な笑みで応戦して「あァ、恋人じゃねぇよ」と
「俺と此奴は、夫婦だからな」
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ライム - めっちゃ最高でした！！中也かっこよすぎてつらいです！こんな最高の作品を生み出してくださってありがとうございます！！！！ (2022年12月26日 17時) (
レス) @page43 id: e7904a37c4 (このIDを非表示/違反報告)
なかはらあお(プロフ) - はじめまして、作品見させていただきました。お話の構成も内容もとても素晴らしく感動しかありません、どんぐり様のこれからのご活躍心より期待しております。長文失礼致しました。 (2018年4月22日 10時) (レス) id: a71351843d (このIDを非表示/違反報告)
藍音 - 凄く面白かったです!私の名字もナカハラがよかった... (2018年2月7日 0時) (レス) id: a82b5889f9 (このIDを非表示/違反報告)
碧 - 完結おめでとうございます！！きゅんきゅんしました…！ (2018年2月1日 22時) (レス) id: c5a450a737 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - こんな時間に一気に読んでしまいました〜。眠たいのにドキドキが止まらなくて寝付けそうにありません！！(>_<) (2018年2月1日 2時) (レス) id: c23d485c4b (このIDを非表示/違反報告)
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