tk × in短編集② (ページ2)

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「伊野尾くんこそ、沢山貰ったんじゃない？…ってか、今の方がいっぱい貰ってそう。」

あぁ。なんてズルい。
俺の方が貴方よりもずっと愛が重いことを、貴方は知っているくせに。
妬いたようなフリをして、俺を試す。

「そりゃ、昨日とか一昨日、スタッフさんとかからたくさん義理チョコはね。いつも通り。」

「ほらね、自分だって貰ってるでしょ」

「…でも、全部受け取ってない」

「え？」

「髙木のチョコ以外要らない。髙木の愛以外、欲しくない。髙木以外、なんにも要らないの」

ほら、重いでしょう。
どんなに甘ったるいチョコレートより、あのふわふわのブラウニーより、ずっとずっと重いでしょ。

「それに…俺があげるのは髙木だけだし」

マグを机に置く。コトン、と響く音。

髙木の方へ身体を向け、両手をその首に絡ませる。

「…伊野尾くん」

ちう…と音を立てて、その唇を塞ぐ。
ホットココアの味。
二人一緒の味。

「…あまい…」

「…なんか、勘違いしてるかもしれないけど」

「？」

「…俺、伊野尾くんよりずっと愛、重いと思うな」

言いながら、俺の腰を引き寄せる。
ゴソゴソと移動し、対面で膝に座る形になった。

「なんで？」

「だって俺、伊野尾くん以外からのチョコさ…」

「ん…」

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