人殺しの記憶 ページ30
ふと、目が覚めた。
此処は、何処だろう?
立ち上がろうと体を起こす。
然し、ジャラッと音がした。
自分の体を見る。両手首と両足首には鎖が繋がれ、ベットの足に付けられていた。
状況を整理するために、周りを見回した。
自分が寝ているベットは、お店などにある、よくある物。明かりは、蛍光灯が付いている。石で出来た壁や床。上へと繋がるであろう階段。
部屋の広さは、そこそこ広い。
私は、倒れた。その後は?
多分、連れ去られたのだろう。
そして、私は、口封じに殺 される。
誰も来ないので、暫く待っていると、コツコツと、音を立てて誰かが降りてきた。
あの階段は矢張り、上へと繋がる道で間違い無いようだ。
?「起きたか?」
誰かが声をかける。
貴(…?…誰だろう。一度…見たことが……)
真っ黒な服。真っ黒な帽子。小さい背丈。
何処かで見た気がする。
『ドガアァァン』
爆発音が聞こえた。然し、近くでなっている訳ではない。
貴(………あ。)
思い出した。2日前。テロが起きた日。
意識が無くなる寸前に見た人。柳田を倒した人。
?「調子はどうだ?起きたなら今から、首領室に行く。俺の名前は中原中也だ。」
自己紹介をされたので、私も答えた。
貴「冷徹の花。赤城A」
?「! 矢ッ張りか。」
私をあの場で殺さなかったのは、この為だろう。
私が殺すたび、皆、口を揃えて言った。
“冷徹の花だ‼”
其れが私だと気づくのに、時間は掛からなかった。
然し、私は人を殺した事が無い。
否、正確には、
人を殺した記憶が無い。
分かるのは、殺した人間の最期の瞬間のみ。
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みさき(プロフ) - 面白いです!続き楽しみにしてます! (2019年7月9日 23時) (レス) id: 071d00f0ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:銀花 | 作成日時:2019年6月14日 21時