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毒舌度443% ページ47







 無事Aさんのお母さんの背中が見えなくなった事を確認して、僕らはやっと肩の力を抜いた。

 あまり伝わっとこない緊張感の割に、何故かやけに疲れた気がする。

 ……まぁ、あそこで死んだ目をしてるAさん本人程じゃないけど。

 珍しく疲労困憊してるAさんは、盛大に溜息を吐いた後、くるっと校舎に隠れていた僕らの方を向いた。疲れきった目でじっと睨まれる。





「……今見たこと聞いた事全部忘れろよ」

「「「え……」」」

「いい!? 皆は何も見てないし聞いてない! ここには誰も来なかった! 分かった!!?」

「無理でしょ」


 凄い剣幕で怒るAさんに僕らは呆然とするが、カルマ君のあっけらかんとした言い方で、徐々にいつもの空気が戻ってきた。


「いやぁ〜、どんな人かと思ったけどな〜」

「いい人だねー! 楽しそう!」


 前原君、倉橋さんに続いて、皆も口々にAさんのお母さんの感想を述べる。確かに怖いもの見たさだったが、翻弄されてるAさんを見ているのは中々楽しかった。以外な弱点だ。


「なんか強烈だったね、Aのお母さん」

「うるさいな! ていうか何でカルマ出てきたの!? これでまた母さんと話すの面倒になる……」

「良いじゃん。遅かれ早かれいづれ言ってたでしょ」

「いや、そんなつもりなかったけど」

「は?」





 カルマ君にいじられながら二人が教室に戻ってくる。
 僕は先程、お母さんに向かって啖呵切るAさんの後ろ姿を思い出した。


『――私はE組で卒業する。高校もこのまま椚ヶ丘に上がる。この高校でやりたい事があるから』


 僕らからは表情まで見えなかったけど、きっとハッキリと意思を持った顔をしていた筈だ。それを堂々と公言出来る強さが眩しく、羨ましく感じた。


 明日は僕の番だ。

 ……僕は、彼女の様に母親に意思を表明できるだろうか。そんな不安もまた積もった。

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設定タグ:暗殺教室 , 赤羽業   
作品ジャンル:ラブコメ
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(プロフ) - みすずさん» ありがとうございます! 中々カルマ君が出せないからかやる気が足りず申し訳ない……。これからもマイペース更新ですので時々でも思い出して貰えれば幸いです。 (2018年1月28日 20時) (レス) id: 32c38c1366 (このIDを非表示/違反報告)
みすず - 最高でした!カルマくんのベタ惚れ感いいです!これからも応援してます! (2018年1月27日 11時) (レス) id: 32ee314352 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みずさん» お待たせしてすみません!!!!!死神編のやる気でなくて……!()Twitterでもお世話になっています!これからもマイペースな作者を見守って下されば幸いです……! (2018年1月21日 19時) (レス) id: 32c38c1366 (このIDを非表示/違反報告)
みず(プロフ) - きゃああああぁあ更新キタアアアア!!!と一人で狂喜乱舞してましたみずです。 (2018年1月21日 17時) (レス) id: 38f9525b82 (このIDを非表示/違反報告)
miku - コメ出来るのは少ないですが、気軽にタメで読んでください。 (2017年12月26日 11時) (レス) id: e73ab21f2a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:https://twitter.com/uranai_aoi/status/929368202894721025  
作成日時:2016年1月20日 19時

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