毒舌度386% ページ34
「……ッフン。ここで最も重要な労働は建築じゃない。子供達と心と心を通わせることだ。いくら物を充実させても……お前達が子供達の心に寄り添えていなかったのならこの二週間を働いたとは認めんぞ」
『……なんだ。そんな事』
「そ、そんな事?」
皆の顔に緊張が走るが、私はあっけらかんと答えれば困惑の眼差しを投げかけてくる園長先生。構わずに周りを見渡すと私の視線に気付いてか、ぶんぶんと手を振ってくれる女の子。
『……あ、さくらちゃん来たよ、渚』
「え?」
唐突に話題を振られた渚はキョトンと目を丸くした。私が彼女を指すより早くさくらちゃんが渚の名前を呼んだ。
「ジャーーーン! なんとクラス2番!!」
「おー凄い! 頑張ったね!!」
「……お姉さん」
『うん? どうしたの柚君』
「今日で勉強最後?」
『え?』
「……もっと教えて欲しかったなぁ……」
『もう弟においでよ』
「むーっ。簡単になれないの分かってるでしょー」
『あはは、ごめんね。でも私柚君の事大好きだよ』
「ほんと? ありがとう!」
私や渚のやり取りを見ながら委員長がこれでも駄目ですか? と下手に出た。クソガキと呟く園長先生。
「……もとよりお前らの秘密なんぞ興味はない。ワシの頭は自分の仕事で一杯だからな。
お前らもさっさと学校に戻らんか。大事な仕事があるんだろ?」
「「「……はい!」」」
『……園長先生』
「なんだ」
『また来てもいいですか?』
「……仕事の邪魔にならなければな」
『勿論です!』
何とか園長先生には認めて貰うことが出来たらしい。無事責任を果たせたみたいで良かった。
…………まぁ、これで明日が中間考査じゃなかったら安心出来たんだけどねぇ……。
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葵(プロフ) - runamomoyukoさん» わーい!!ありがとうございます!! 返信遅くてごめんなさい!!! 読み直して貰える様な作品になってて嬉しい限りです!! (2019年6月5日 15時) (レス) id: f205b8954e (このIDを非表示/違反報告)
runamomoyuko(プロフ) - めちゃくちゃ面白い!!暇があればいつも読み返してます! (2019年6月1日 21時) (レス) id: 8880909aab (このIDを非表示/違反報告)
綾斗(プロフ) - 葵さん» マイペースでも大丈夫です!!頭の片隅に置かず、しっかり覚えておくつもりですww (2017年8月7日 23時) (レス) id: 2000cf866d (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 綾斗さん» 更新疎かでごめんなさい。バイト始まるまではもうちょっと頑張る予定です。楽しみだなんて照れくさいなぁ、ありがとうございます!更新はホントにマイペースなので頭の片隅にでもこの作品を置いて貰えれば幸いです。 (2017年8月7日 18時) (レス) id: dcc347a630 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - サヤさん» 椚ヶ丘のジャージウロ覚えだったけどね((不器用極めたって言うおまけ付きだから私に何か求めるのはやめた方が良いよ(切実) (2017年8月7日 18時) (レス) id: dcc347a630 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵 | 作成日時:2015年12月30日 15時