【赤羽 業】毒舌少女は元A組!!part10

毒舌度３７２％ ページ20

『おおっとE組ここで攻める！ たった7人で中央突破だ!!
　…………しかし！ これを見たA組！ E組を追って防御に戻る!!』


　ご丁寧なアナウンスを聞きチラッと後ろを見れば先程の温存部隊がこちらに向かってきていた。そして目先にはまたもや別の外人さんが2人。

　このまま行けば間違いなく挟み撃ち。……そう。このまま、まっすぐに行けば――。


『――何で全員こっち来んの!?』


　私達は挟まれる前にと全力でD組の客席に向かった。因みにE組はハブられてる為観客席周辺にはいない。これは非常に助かる事だ。だって私達は客席に逃げ込むのだから。

　会場全体を巻き込む。こんな事常識的に考えるとまず有り得ない。まぁそっちも外人部隊呼んでるんだからお互い様な気がするけどね。

　不安定なパイプ椅子に手を掛け一気にジャンプ。何人かを引き離しながら私が目指すのは棒の先端。


『――なんとE組、客席まで逃げ始めた！ それを追うA組で会場は大パニック！ 椅子と客を器用に使って逃げ回るE組！ 客席はカオス状態だ!!』


　やはりこの場に女子がいると悪目立ちするのか、何だか私を追ってくる人が多い気がする。加速して振り払い、できるだけ相手の手の届く範囲にはいない様にしているが……


『っハァ、っげほ……ッ……！ っはぁ、ハァ……ッ』


　体力持ちません。追っ手を減らすべきだ。情けない？ いやいや、腕力以外頼りにするなと言ったではないか。

　チラッとA組の陣を見ると学秀が困惑の眼差しを向けつつも何か考え込んでいる。どうやらこんなに予想外の事をしていてもアイツの頭の中には作戦が思いつくらしい。つくづく恐ろしい幼馴染だ。


「橋爪、田中、横川！ 深追いせず守備に戻れ!! 混戦の中から飛び出す奴を警戒するんだ!! 磯貝、木村、赤羽の3人は特に注意だ!! その位置で見張ってろ!! それからAもだ!! 3人以上の人数で確実に押さえろ!!」


　……ホント、私の周りってクズしかいない。

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