【赤羽 業】毒舌少女は元A組!!part10

毒舌度３６３％ ページ11

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『…………え、っはぁ!? 何で!?』


　僕が首を振った事が余程予想外だったのだろうか。Aはガタンと音を立て席を立った。

　何で？ ちょっと考えれば誰でも分かる事を何故コイツは分からないのだろうか。仮にクラス全体を納得させても僕が許可するわけなかろう。しかもAの言うクラスの許可だ。何時もの勢いでゴリ押ししてきただけと言う可能性もある。本当の許可なのか怪しいものだ。

　余程そう言ってやろうかと思ったが逆ギレされても困る。僕は一応言葉を選ぶ。


「……仮にも女子なら客席で大人しく応援でもしてろ」

『女子なのは生物学上だけだし。腕力なら引けを取らないよ』

「だろうな」

『なら良いじゃん』

「危ないだろ」

『承知済み。でも私丈夫だし』


　ちょっと位じゃ怪我なんてしないから。等と言われ僕は言葉に詰まる。Aが人数倍丈夫なのは僕だって分かってる。これが普通の棒倒しなのであれば、僕だってここまで渋ったりしないだろう。Aを説得させる事程手間が掛かるものは中々にないのだから。

　A組本来の目的は棒倒しに勝つ事ではない。E組を潰す事だ。……それをE組のコイツに言ったら、間違いなくE組は何らかの対策を打ってくるだろう。

　流石にAに怪我を負わせるのは気が引ける。だがそれを言ったらこちらの作戦をバラす事にもなる。どうしたものかと頭を悩ましてしまう。……本当に、コイツは僕の斜め上を行ってくれる……。

　Aはこちらの作戦を知る為に派遣されたのか……？ と深読みするが、多分違う。純粋に自分の失態は自分でケリをつけたいだけだろう。僕には理解しきれない程には単細胞だもんな。


『……学秀、なんか今失礼な事考えてない？』

「Aの言う失礼の基準が分からないからなんとも」


　コイツの直感は時通り恐ろしい。

　……さてと、そんな事よりAの参加希望について考えないとな。

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