歌い手だらけの歌荘でシェアハウス！【２】 (ページ13)

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30分ほど、車を走らせると、

一軒家が見えてきた。

他の家の三倍くらいの広さで、

木でできた、シンプルな家だった。

ある程度、家具は揃っていたため、

家具は、買う必要はなかった。

衣類など整理いたします。と、要さんに

言われたが、丁重にお断りした。

だって、下着とかあるし…一応要さん、

なんだか、声高いけれど、男の人だし。

まぁ、なんやかんやで片付けて、

色々なことをしていたら、午後の18時。

朝ごはんは食べてきた。お昼ご飯は、

お腹がすかなかったため、いらないと、

要さんには伝えておき、今は自分の部屋。

「そろそろ、リビングに行こっかな…」

ポツリと呟き、私は部屋から出て、

リビングへと１人、向かって行った。

私の部屋は２階にあって、一階がリビング。

階段を降りていくにつれいい匂いがした。

「…あ、あのー…」

店長「あ、時雨様。お食事の用意が…。
お食べになられますよね？」

リビングのテーブルに、和風食が、

丁寧に、二人分並んでいた。

「………二人分…(ﾎﾞｿｯ)」

私は思わず、無意識に呟いてしまった。

店長「…いや…でしたか？私の考えでは、
人が多いほど、食卓は楽しいと…」

少し戸惑ったように私を見る、要さん。

「…」

私は、無言で椅子に座った。

要さんも戸惑いながら、向かえの椅子に、

ゆっくりと、静かに腰を下ろした。

「いただきます。」

店長「どうぞ、召し上がって下さい。」

私は、出来立てで、暖かい煮物を、

ゆっくりと、口に運んで、食べた。

店長「時雨様…お口にあいましたか？」

まだ自分は、箸にも触れずに聞いてきた。

「…ふ、ｩｩｯｯ…ﾋｯｸ…ふ、ｪ…ﾋｯｸ…」

店長「え！？えっ！？時雨様？！」

いつの間にか私は泣いていた。

「嫌…なんがじゃ…なかったの…ﾋｯｸ…。
ほんと…は、、、こうして…誰かと一緒に、
……食べたかったの…ｳｩｯｯ…。初めて…、
手作りの…食べたから…ﾋｯｸ…美味しくて…
…ﾌｩ…ｩｩｯｯ…あ…りがとう。要さんっ…！」

店長「時雨様…。お辛かったでしょう…。
大丈夫です。私は、何があろうとも、
時雨様だけの執事ですし、時雨様だけの、
味方です。泣きたい時は、我慢なんかせず、
沢山…泣いてください。私がすべて、
受け止めて差し上げますから。(ﾆｺｯ)」

今まで自分の中の何かを縛り付けていた、

鎖が音を出して、崩れ落ちていった。

あぁ…この人なら

信用して、大丈夫なんだ。