2 ページ33
・
何があったのか分からなかった。私はフラフラと立ち上がり、倒れている人の元へ駆け寄る。何も考えず、考えられず、赤黒い液体を踏みながら――。
「ッ……!」
頭の整理が勝手に追いついた。…………コレ、血……?
「カルマッ!!」
赤髪の男の体を揺すると、周りの人に咎められる。
「落ち着けッ!」
「救急車ッ! 誰か救急車をッ!!」
「カルマッ! ねぇ、ッ……カ、ルマ……ッ!!」
徐々に染まるパーカーの袖口。最早浸かってる膝。私はそれらを気にも止めず必死に男を揺すり声を掛ける。あんまり揺すると良くない! と誰かに言われ手を離すと、誰かが呼んでくれたであろう救急車が、サイレンを鳴らしながら到着した。
ーー…
「――……カルマッ……カルマ……ッ!」
近くの病院に搬送され、私はひたすら彼の手を握り直していた。
ピッ、ピッ……と望ましくない音が部屋に響く。
『――一命は取り留めました。ただ……』
「……カルマ、さっきシュークリーム奢ってくれるって、言ってたじゃん。また太るって? 大丈夫。ダイエットするよ。カルマも付き合ってね。私一人じゃやる気起きないの」
「手が痛い? っふふ、これが普通なの。大好きって事だよ。伝わって良いでしょ? ……まぁ、伝わってないかも、だけど。不器用で、ごめん、ね……」
「将来さ、中々2人の時間、取れなさそうだよね……。でも、たまにはカルマに合わせてあげるよ。その時は、また2人でいっぱい話しながら馬鹿やって、ゆっくり過ごそうよ?」
「……私の事、貰ってくれる、って、言ってた、じゃん……。カルマが貰ってくれなきゃ……誰が、私なんかッ、貰ってくれるのよ……」
「…………全部、全部一人じゃ出来ないんだよ……ッ?」
271人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サヤ - 葵さん» ごめんなさい!昨日ずっと試してみたんだけど何か出来なかった。あ!でも遣り方は分かったからまた今度機会があったらやってみるね!御手間掛けさせて死まい本当にごめんなさい。後遣り方教えてくれてありがとう! (2017年5月1日 16時) (レス) id: fb5777db69 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - サヤさん» マジかありがとー!『占いツクール 画像申請』って検索して、そこに送信するだけだよー。んで、半日〜1日の間に許可がおりるから、それをコピペしてコメ欄にでも貼って貰えれば載せますよー。 (2017年4月30日 18時) (レス) id: dcc347a630 (このIDを非表示/違反報告)
サヤ - あの…ね、菜花ちゃん情報何だけどメルアド無くてもイラストのURL作れるって聞いて半信半疑であおちゃん宛って言うかあおちゃんの小説の夢主ちゃん描いたんだけど…えーと…殺り方が分からなくて……教えて下さい…。手間掛けさせてしまってごめんね! (2017年4月30日 14時) (レス) id: fb5777db69 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - はる★暗殺さん» わー!ありがとうございます!!シリアス苦手ですが、リクエスト貰ってチャレンジしてみて良かったです!!次はコメディを書こうかと思っています(( 少々お待ち頂けると幸いです。 (2017年4月9日 22時) (レス) id: 32c38c1366 (このIDを非表示/違反報告)
はる★暗殺(プロフ) - 既視感!すっごい感動しました!途中で涙がでました…やっぱり葵さんの作品はとても感動しますね!次の小説も楽しみにしています! (2017年4月9日 22時) (レス) id: 1f35a584e2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:葵 | 作成日時:2017年3月10日 20時