【赤羽 業】毒舌少女は元A組!!Side Story-４-

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「え……なに？」

「あの、せめて、目瞑って貰えませんか……？」

「……顔見たい」

「無理。あんな距離で目合ったら死ぬ」

「……まぁいいよ」


　折角の雰囲気だったが仕方ない。仕切り直しだ。どーせ長期戦になるとは思ってたし、気長に待つしか無さそうだ。





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「……A」

「っ……」

「まだ？ 俺何時まで目瞑ってればいいの？」

「……だって、無理……」


　知ってた。長期戦は確実だった。しかし何時まで待てば良いんだ。もういい加減俺からしてやろうか。

　ここまで必死になられちゃもう分かってる。単純に俺がキスして欲しいだけだ。

　焦れったい。ここまで待たせて頬だったら流石に足りないけど大丈夫だろうか。


「っ、する！」

「うん」


　また前振りが入った。あと何分かかるかなと待機してると、グイッと後頭部から引き寄せられる。

　勢い任せか、そのままちゅっと唇を吸われた。


「っ、」


　思わず目を見開く。逆にAは目を閉じてる。これは期待以上だった。





　流石に深いキスまでは無理だったらしく、熱持った唇は直ぐに離れてしまったが。





「……」

「……証明、出来てましたか」

「……っふ、ははっ、完璧」

「……あっ、そ」


　ふいっと顔を逸らしたまま照れてる横顔が可愛いので良しとしよう。





　あくまでこういう反応するAが見たかっただけだから。俺しか知らないAを見せつけたかっただけだから。

　だからアレは、ヤキモチなんかじゃない。

　――もっと醜くて浅ましい感情だったんだよ。

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