毒舌度648% ページ31
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辺りの音が聞こえなくなって、私の頭の中で延々とリピートされるのは……カルマの言葉。
「……え?」
何の事だか分からないまま、ゆっくりと彼の顔を見上げた。
「……」
本人は、気まずそうに私から目線を逸していた。
その顔を見てなんとなーく理解する。……今のって、
「……プロ、ポーズ……?」
「ッ……」
私がキョトンと聞き返すと、一気に顔を赤らめるカルマ。
うっわ、めっちゃレア。なんて思いながら、自分で聞き返して後悔する。……ヤバい、何恥ずかしい事聞いてんの!?
そこで合点が行く。……もしかして……いや、もしかしなくても……“ずっと隣に居て下さい”って……!!
「……ごめんなさい!」
「え……」
何度も言わせちゃってごめんね、って意味で謝ると、ピシッと表情が固まるカルマ。……あ。
「いや、嘘! うん、ごめん! 違うの、そう言う意味じゃなくて! えぇっと……悪いけど悪くなくて……その……!!」
私は両手をバタバタと動かし弁解を始めた。駄目だ。混乱し過ぎて何が何だか分からなくなってきた。
そんな私を暫く間抜け面で見てたカルマは、ふッと吹き出す。
「……あ、っはは。……つまり?」
楽しそうに笑いながら、私の左手を取って……丁度薬指のところに唇を付ける。
「あ……えっと……わ、私で良ければ……?」
いざこう言う場面にされると、何て返したら良いのか分からなくなる。……でも、カルマの気持ちは純粋に嬉しいわけで。
このクラスに居る沢山の可愛い子の中から、自分を選んでくれたって……自惚れても良いんですか?
これから先も、支えてくれるって、信じていいんですか?
「……時が来たら、アンタのになってあげる。私が常に隣に居るって事に感謝しろよ!」
私は手を振り払い、潤んできた瞳を手の甲で擦る。……違うもん。嬉し泣きとかそんなんじゃないもん。
「……うん。Aも俺みたいな良い男に巡り会えて良かったね。もう一生有り得ないよ」
「馬鹿野郎! 悠馬君が居るだろ!」
「Aに磯貝は勿体無い」
「ごもっとも過ぎで泣けてきた」
教室に行こうと手を出され、私達は教室までの短い距離を指を絡めて歩いた。
私は、あの桜みたく、強くないけど……カルマが隣にいてくれるなら、きっと綺麗に咲けるよ。
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桃(プロフ) - 私と性格が似てて、しかも私も彼氏と似たような会話をしてるから謎の親近感があってめっちゃ面白かったです!カルマ君なりの愛情表現なんだろうなって思ってたけど… それでもやっぱり… もう少し夢主ちゃんに優しくしてあげて…! (2020年4月11日 1時) (レス) id: 6db7c5dbac (このIDを非表示/違反報告)
ごま塩 - 5回くらい見返してますw 暗殺教室本当好き これからもずっと読み続けます (2019年9月20日 18時) (レス) id: 64212fd34b (このIDを非表示/違反報告)
麗花 - そういやこのまえのひたなちゃんになってたよ (2019年8月6日 12時) (レス) id: ed1bcccac4 (このIDを非表示/違反報告)
飴玉星空☆(プロフ) - 葵さん» いえいえGWはすっごい暇だったので。暗殺教室がまた再熱してきましたしw更新待ってます! (2019年5月8日 0時) (レス) id: 95ac83b835 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 飴玉星空☆さん» き、貴重なGWを費やさせてしまった……! お付き合いありがとうございますー!! 暗殺教室自体に思い入れある作品ですから、どうしても完結させたくて(照) まだ高校編とか番外編とかは更新してますので良かったら……! (2019年5月6日 18時) (レス) id: df60a0bf96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵 | 作者ホームページ:https://twitter.com/uranai_aoi/status/1087256584701370370?s=19...
作成日時:2016年9月6日 20時