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「はーいおめでとう女の子だよ〜かわいいよ〜」
「八時九分、おめでとうございます」
その声にハッと我に返って、
今までの痛みなんかも忘れ飛びかけていた意識を慌てて戻す。
産まれた。
産まれた…？
でも泣き声が聴こえない。
閉じていた目を開けて我が子の姿を探す。
ぼんやりとした視界がとらえた先生に抱かれている(というよりは抱えられている)我が子は、
全身が赤みを帯びた紫色をしていた。
今までの経緯もあって急に不安が襲ったけれど、
先生はまったく焦る様子などなく寧ろ慣れた様子で、
よく見えず何かはよくわからないけれど我が子の顔のあたりをぐいぐいと触っている。
そうして一分も経たないうち、聴こえてくる産声。
生きてる。
「っ…よ、」
よかった、と呟こうとしたけれど言葉にならなかった。
想像以上に小さなその身体は、
生きていることを力いっぱい主張するかのように、
全身を震わせて声を放つ。
「ほら泣いた泣いた。元気だよー」
身体をきれいに拭いてもらった我が子が、自分の胸の上にやってくる。
温もりを感じた途端に、
わたしも赤ん坊みたいに思わず全身を震わせて泣いた。
ズシンとした重みを本当の本当に奇跡そのものだと受け止めて、深く深く噛み締める。
あたたかい体温と自分よりもずっと早いドキドキが、
この子も自分も生きてるんだということを改めて感じさせてくれている気がした。
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作者名：まいち | 作成日時：2017年9月15日 3時
