真選組のドS美人【銀魂】《5》

第171話ですよー ページ21

＊





白バイに乗って向かうは田舎。


ああ、白バイ初登場だね。一応乗れるよ、一応な。





目的地は、土方さんが毎月行っている場所。

私も接点がある人のとこ。出会い、っていう出会いがねぇ...恥ずかしくなるくらいアホな話だから、語るのは、ちょっとぉ...


...ごめんなさい、ウザイとか思わないで。






あ、着いた着いた。


墓地ですよ、ええ。




私がいっつも持ってくるのは、お花とお酒。

別にあの人が好きかどうかわからないけどね。

奥さんかなりできた人で、お墓の手入れがいきとどいてる。お花も綺麗な状態で飾られているから、ちょっと付け足す程度の量しか持ってきてない。




鬼嫁をとっくりに注いで、数珠を手に取って両手を合わせる。






あ「聞いてよー、兄さん」





こうして、何かの節目で不定期に来る私の、近況報告？愚痴？を聞いてもらうのだ。

...血は繋がってないからね？



私が兄さんに会ったのは、彼の目が見えなくなってから。

だから私の顔なんて、全体像なんて分かりっこないはずなのに、私に会うといつも嬉しそうに笑っていた。
冒頭にもあったけど出会い方が恥ずかしいもんだったのに、彼は私を可愛がった。


兄さんに大切にしてもらった私は、私達は、今も何故かバカやってます。



...違うや。今日言いに来たのはコレじゃない。



あ「あのね、ミツバ姉が死んだんだ」




トシ兄が、心の底から愛した人だったんだよ。




あ「とっても素敵な人なんだ」




私と総悟のお姉ちゃん。




あ「兄さんは、もう会った？」





皆の心の支え。





あ「辛いものが好きなんだよ」




いなくなって、皆、悲しかった。




あ「きっと兄さんも気に入ると思うな」




外見も、中身も綺麗な人なんだ。




あ「会ったら仲良くしてね」




私？...私は...







あ「私、最期まで、トシ兄の側にいるから」





トシ兄の心配はしなくても大丈夫だよ。


私がついてる。





あ「よかったら、ミツバ姉と一緒に見守っててね」





死んだら目は見えるようになるのだろうか？見えてなくても、きっと兄さんはトシ兄だけは見つけるんだろうなぁ。


もし、見えてたら。



私も見ててくれると、嬉しいな。




あ「まだまだ頑張るから」





私達の真選組は、これからも自分達の信念を貫く。





あ「悪(バラ)ガキ共を、よろしく頼むよ」





運転しなきゃだから飲めないんだわ。

お酒をそのまま置いて、じゃあね、と手を振った。

第172話ですよー→←第170話ですよー

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す