第166話ですよー ページ16
*
昼前のジリジリした日光を感じて目を覚ます。
視界いっぱいの真っ白な天井。
顔に違和感満載の酸素マスク。
腕に刺された点滴。
...なんだ、自分の病室に戻ってたのか。
昨夜の最後の記憶...といっても、泣いて泣いて喉もガラガラになったってことしかない。
ま、病室へは看護師さん達が運んでくれたんだろう。迷惑かけたねぇ。
...ミツバ姉のことを思い出してみる。
悲しいけど、涙は出なかった。
もしかしたら、初めて涙が枯れる、なんて体験かもしれない。
てか目腫れてるよコレ絶対。お岩さん状態間違いなし...なんつって。
...にしても酸素マスクやだな...
適当にマスクを外す。おお、期待した通りの爽快感。
そういえば腕は痛まないな...治った?治っちゃったの?やべーな夜兎。ハーフでこれって純血はもっとやべーのか夜兎。
...アッハイ、脚は治ってないんですね。思いっきり動かしてみようとした私がバカでした。痛いです。はい。
え、てか今いつ?何月何日何時何分何秒?時計どこ?てか私のケータイどこ?
「昨日蔵場をしょっぴいたばっか。時刻は10時42分。うっわ、お前目ェやべーなおい」
あ「やけに的確な怖いくらいの情報ありがとう。目がやべーのは総悟もだよ」
沖田「...ま、仕方ねーだろィ」
お岩さん総悟が、私のベッドに腰を下ろす。当然私には総悟の背中が向く。
ああ、顔を見られたくないわけね、はいはい。
あ「仕事は?」
沖田「俺と土方は休みもらった」
あ「...そっか」
にも関わらず綺麗とは言えない隊服を着てるのは、屯所に帰ってないからだろうね。
ミツバ姉との別れだったんだから。総悟は私以上に辛いはずだ。
あ「総悟は、まだここいるの?」
沖田「...屯所にゃ土方がいんだろ」
そう言って、ただでさえ丸かった背中が、さらに丸まった。
あ「...総悟」
沖田「...なんでィ」
あ「...ありがとう」
こんなこと言ったら、いつもはキメェって一蹴りしそうだけど。
沖田「...おう」
さらに背中が丸まった。
...総悟の隊服が汚れているってことは、昨日の斬り合いに総悟も参加したってこと。
最期を迎える、ミツバ姉を置いて、刀を取ったんだ。
と、考えると。蔵場にトドメをさしたのは、総悟...かな。
あの総悟が、あの総悟がそこまでしたんだ。ミツバ姉も最期にアンタのその覚悟見れてよかっただろーよ。
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練紅龍(プロフ) - めぐぽん(*´・∀・)さん» こんにちは。幼馴染たちと新参者たち(敵)どいつもこいつも腐れ縁やら因縁やらでつながれてます。ちゃんとそこまで書けるよう頑張ります……! (6月7日 17時) (レス) @page17 id: 0cf84c7016 (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - こんばんは。んー、武州組は兄弟って感じだからオチは高杉さんかカムイなのかな?なんて、また次を楽しみに今日は終わります。 (6月7日 2時) (レス) id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - 焦凍さん» ありがとうございます!励みになります...遅筆ですが頑張ります! (2021年10月11日 8時) (レス) id: 817163acd5 (このIDを非表示/違反報告)
焦凍 - めちゃくちゃ面白かったです!続きも楽しみにしています!! (2021年8月21日 2時) (レス) id: 427116d3c5 (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - みくるさん» やーありがとうございますー!コメントが燃料補給です...w今から書きますd (2019年2月7日 20時) (レス) id: 308444a36a (このIDを非表示/違反報告)
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