真選組のドS美人【銀魂】《5》

第161話ですよー ページ11

こんな時だってのに、こんな時だから、土方さんは懐からタバコを取り出し 火をつけた。


煙を吐くと同時に、喉で小さく笑う。


土方「外道とは言わねェよ。
俺も、似たようなもんだ...ひでー事腐る程やってきた。
挙句 死にかけてる時に、その旦那叩き斬ろうってんだ。ひでー話だ」



ちらりと、武州での記憶が脳裏を過ぎった



蔵場「同じ穴のムジナという奴ですかな。鬼の副長とはよく言ったものです。貴方とは気が合いそうだ」



違う。違うんだよ。



土方「.....そんな大層なもんじゃねーよ。俺ァただ...


惚れた女にゃ、幸せになって欲しいだけだ」



この人の行動は、全部優しさが滲んでるんだよ。



土方「こんな所で刀振り回してる俺にゃ無理な話だが。

...どっかで普通の野郎と所帯もって、普通にガキ産んで、普通に生きてほしいだけだ」



優しいから、人の幸せを願っているから、



土方「ただ、そんだけだ」




私達は、『鬼の副長』を慕うんだよ。



蔵場「なるほど。やはりお侍様の考えることは、私達下郎には はかりかねまするな」



左手で刀を構え、腰を落とす。





バズーカの引き金をひく音すら拾おうとした私の耳は、確かに多人数の足音を聞いた。


この圧倒的に向こうが有利な状況で、加勢を呼ぶ可能性は限りなく低い。


と、すると。




あ「...ザキか...」

蔵場「撃てェェェェ！！」


蔵場の声に私の呟きがかき消される。


身構えたけど、バズーカが放たれた先は、私達を囲んでいた浪士の後ろだった



「いけェェェェ！！」



近藤さんの掛け声で、黒服集団がなだれ込む。



すかさずコンテナ上でマシンガンを構えていた奴が、私と土方さんに向かって弾丸を飛ばす。



ちょっとちょっと。

刀で捌くには体力つかうし、土方さん走れないし。



左手にあった自分の刀を口で咥え、土方さんを左腕で抱えて、死角へ移動した。



あ「おもっ」

土方「悪かったなァ...！」


ドラム缶が撃たれたのは、そのすぐ後だった。

ん？油か火薬か中にない？ん？


「「あっ」」


なんて。気付いた時には爆発寸前。ホント、寸前。


とりあえず土方さんを投げ飛ばした←


あのーえーっと、なんか立派な黒い車が近くにあったのを見たんだよね。

多分そこら辺に飛んでるはず...ああ、違ったらごめんなさい


逃走用と見て間違いないんで。そっちは任せましたよ。

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