愛してる、愛してない【文スト】 (ページ8)

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・　勘違い(2) ページ8

今私たちにやりすぎだって言ったよね…！？
明らかに太宰さんのほうがやりすぎじゃ…

血を吐きながらも立ち上がったリイナは太宰さんを睨みつける。

「………わかってる、…っ、でも…っ！」

まるで自我を失っているみたいだ。

「あぁ、そう。
……そうやって頑張れば、私に褒められるとでも思ってたの？」

落ちていた銃を拾い上げて
リイナに1歩1歩近づく太宰さん。

「……！
わかってンじゃねえか…太宰」

中也は動きを止めニヤリとした。

おおかた太宰さんがリイナを処分すると予想したのだろう。

「……自分を押さえられなくなったら、リイナ自身が苦しくなるのが分からないんだね」

ボソリと意味深な言葉を呟く
太宰さんはリイナの額に銃口を構える。

「……………私はっ、私は……！」

「……リイナに強さなんていらない。

───《異能力》『人間失格』」

太宰さんは意味深な言葉を発しながら
銃を向けた手ではなく、
その逆の手でリイナの頭に手を置いた。

時が止まったかのようにリイナの動きも止まる。

目を閉じたまま動きが静止したはずの
リイナはすぐ目をぱちっと開けて

「………！…っ、だ…太宰!?
……あっ、私もしかして太宰に……」

自分の目の前にいる太宰さんに対して
目を見開き驚いた。

その目には光のようなものが戻っている。

「ん？
あぁ、気にすることないよ」

太宰さんは何事も無かったかのようにリイナの顔を覗き込んだ。

「糞太宰……ふざけてんのか」

中也はまた太宰さんを睨んでいた。

きっと自分が予想したことをしなかった太宰さんに腹を立てているのだろう。

「ふざけてなんてないよ。
逆に、リイナを殺す理由がどこにあるって言うのさ」

太宰さんはこちらを振り向かず答えた。

「えっと…………私が殺されるの…？」

リイナは何も知らないかのように
きょとんとしながら太宰さんの顔を見る。

「リイナ、さっき弾丸撃ったの覚えてる？」

「弾丸……？
あぁ、あれは…」

「あの後ろのダーツに撃ったんだよね？」

リイナが答えようとした瞬間、
太宰さんが言葉を重ねた。