・ 教育(2) ページ43
「わあ…」
柔らかそうなソファに大きなベッド、
そして真っ白な壁に大きなテレビ。
私の部屋はこんな綺麗なものではないから、ますます私は目を子供のように光らせた。
「太宰!ここすごい…!」
太宰はそんな私に笑みを投げかけて、
私を柔らかそうなソファの上に降ろした。
予想以上の柔らかさに思わず跳ねたくなるが、流石にそれは辞めておいた。
太宰は私の隣にすぐさま腰を下ろして、
「ねぇ、さっきはどこに行ってたの?」
と、笑みを崩さぬまま私に問うた。
「…え?
美江さんについていっただけだよ」
「ふぅん…………
…ねぇ、リイナは美江がしてる仕事に興味あるの?」
「……えっと、
美江さんの仕事は自分がいれば、簡単に情報が手に入る仕事だよね…?興味あるよ、勿論」
何で太宰が美江さんの仕事知ってるんだろ、何て疑問が脳裏に浮かぶもすぐに何処かへ消えていった。
「……そう、ならリイナに教えてあげようか」
太宰のこの言葉から生まれた行動によって。
刹那、その言葉を放った私の両腕を掴んだ。
血で汚されたコートは剥ぎとられ、
太宰は瞬時に私をソファに押し倒す。
天井と目があったかと思うと、すぐさま太宰の笑みを浮かべている表情が映される。
ソファの柔らかさは消えている感じがした。
「……な、何してるの…っ、太宰」
刹那、私の口から零れた言葉は恐怖の色に染まっていた。
…太宰に押し倒されたのは『あの時』以来だ。
でも、今の太宰はあの時と違う。
───恐怖を更に掻き立てるような笑みを浮かべていた。
「……教育、だね。
今日君に教えることがないと言ったのは撤回するよ。1つ、教えることができた」
太宰は続ける。
「美江はね、自分の身体を売って、それと引き換えにあらゆる情報を貰っているんだよ」
「……か、身体を……売るって………」
私は何も知らなかった。
太宰に初めてこの言葉を言われた。
でも、恐怖を何故か覚えてしまう。
私の強張る表情なんて太宰は気にせずに、
両腕を掴むのを辞めて、私の頬に手を添える。
「まずは互いに服を脱ぐんだ。
次に頬に触れ、接吻をする
そうして舌を絡める。ゆっくりと。
その次は胸、その次は───」
言葉を並べる度に、太宰は人差し指で私の身体をなぞった。
頬、
唇、
胸、
腹、
そして───
「………ッ!だ、太宰…やっ、やめ……」
なぞられる度に私の身体は恐怖に色付く。
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作者名:kana | 作成日時:2021年8月23日 20時