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・ 夜の街 ページ38

〜リイナサイド〜





───









周りを見渡せば光輝いてく店たちが、ちらほらと私の視界に映される。



夜の、街………


「リイナさん、こちらですよ
迷わないでくださいね」


にこりと優しい顔で笑いかける彼女…美江さんは私を手招きする。


ぼうっと街を見つめていた私は、はっとして我に帰る。


そして美江はんの表情は私がよく見かける、
手招き猫のように怪しい表情をしていた。


ぼんやりと『プリズナーの情報』という餌に連れて行かれた私は、彼女と共に名も知らぬ店の前で立たされることとなった。

 

初めて見たな、この店。



客人を魅了させるような甘い匂い。
ただ、甘いように見せかけても、怪しい雰囲気までもこの店は漂わせる。


なんの店なんだろう、それにこんなところで
本当にプリズナーの情報が貰えるのだろうか。



「美江さん、こんなところで本当にプリズナーの情報を貰えるんですか?」



太宰に早く褒められたいが一心の私は
美江さんに早口で問う。


「ええ、もう来ると思うのですが…

…あっ!来ましたよ、リイナさん」



美江さんが宝物を見つけたかのように
目を輝かせたかと思うと…視線の先には二人の大柄の男がこちらへと歩く様子があった。



私たちの目の前に立つと彼らは遠くで見るよりも大きく…そして恐怖をも感じさせた。



昼間に目立たない以上、夜になれば店たちは本性をむき出しにする。
そうして、夜の街を歩く人たちを
見えないような闇で襲い掛かってくるんだ。



何故か太宰のそんな言葉を思い出す。


「こいつが例の奴か」



ふと、一人の男が放った言葉に私の思考は一気に停止してしまった。





「ええ、そうです。
貴方様が『若い子』が良いって言われたでしょう?」



「案外可愛らしい子じゃないか」


一人の男が私に近づき頬に触れる。



「………ッ!?」


突然頬を触られた私は恐怖をますます覚え、思わずその手を手ではらった。



その時、思考が再び回り始めた私は
一気にその男を睨みつけた。


なんでいきなり…私の頬を…ッ!?



「……ん?
おい、美江…こいつ経験無しか?」



「ええ、だってまだ15歳ですもの

リイナさん、この人達の言うことを聞いていれば、貴方に情報を分け与えてくれます」



その言葉に、私の表情は一気に和らぐ。



言うことを聞く……?

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設定タグ:太宰治 , 中原中也 , 文豪ストレイドッグス   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:kana | 作成日時:2021年8月23日 20時

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