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・ 宣戦布告(3) ページ13

太宰さんは中也のことばに返事をしない。


そして立ち止まった太宰さんはルーレットの前でしゃがみこむ。


「中也が気になっているみたいだから答えてくれ給え。
マフィア内に裏切り者は存在する?」


「ひぃっ……
い………言えないっ」


ひ弱そうな声がルーレットの方からした。

突然聞こえた声は男の声。

大方客の中で一人、太宰さんが情報を聞き出すために捉えた人だろう。


紐で縛られていた。


太宰さんはその人のクビのネックを掴み
私たちのもとまで連れてきた。


タバコのような匂いを漂わせた中年男性のような人だった。


「………リイナ」


パチンと指を鳴らす太宰さん。


一瞬のすきにリイナの姿は無くなり、
そいつの額に銃口を構えていた。


その顔に笑顔は無い。


「早く答えるんだ。

それとも……君の脳髄が私の部下の手でぶちまけられるのがさきかい?」


銃口の向きは変わることはない。


これが太宰さん特有の拷問法らしい。


リイナを使って…裏切り者、敵組織の奴らのことを吐かせる。


「……あ、……ひぃ………」


声を漏らす態度、姿からして
恐らく最下級構成員のような奴だろう。

あまりコイツに聞いても情報は取り出せない気がするが…


「さーん、にーぃ、いーち…」



「お、…お前らの組織内に裏切り者がいるかは、しらない!」


太宰さんのカウントダウンに覆いかぶさるようにして彼は答えた。


「ただ、お…俺たちはここでお前らを見ておけと言われただけだ…!
異能力者の異能を確認しろ…と!」


「なら、手前らの目的はマフィアの壊滅。
それで間違いねえんだろうな」


立ち上がった中也は彼の目の前にかがみこむようにして問う。


「そ、そうだっ…」


「へぇ…」


太宰さんは溜息に似たような声を漏らす。

組織の場所を探ってもこの男は知るはずないだろうと判断したのだろうか。


「なら死ぬ前に先に教えておくよ」


その声に合わせてリイナが男の額にあった銃を額にぐっと押し付けた。


「……っ、ひっ……や、やめ……」




「私たち、ポートマフィアに喧嘩を売ったこと
───後悔するといい」

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設定タグ:太宰治 , 中原中也 , 文豪ストレイドッグス   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:kana | 作成日時:2021年8月23日 20時

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