○ ページ33
『……、うぇっ、』
またトイレに駆け込む。胃液が止まらない……。さっきからずっとこの調子だ。仕事のストレスで、家にいてもフラッシュバックする。
姫野ーーふふ♡先輩のその顔、最高に素敵です♡ーー
『……っ』
愛花ちゃん。貴女は、涼介で何がしたかったの？
私は貴女を許せない。
『…そうだ。今日伊野尾先輩と映画観に行く約束してたんだ』
鏡を見ると、ひどい顔だった。クマが出来てて、ストレスで疲れ切ってる顔。私はいつもより少し多めにお化粧をする。本当は肌荒れるからあまりしたくないんだけど。仕方ないよね。
『カーディガン羽織って、……傷、見えてない、……よね？』
大丈夫。口角をあげて、いつも通りの私を演じる。
『伊野尾先輩！』
慧「Aちゃん」
待ちあわせ場所の駅に行くと、そこには既に伊野尾先輩が待っていた。
『すみません！待たせちゃって！』
慧「良いよ、俺も今来たところだから」
そう言って伊野尾先輩は私にチケットをくれた。映画のタイトルは「ONE PIECE FILMRED」。私の好きな漫画、ONE PIECEの映画だ。今回はシャンクスも出るということで、とても観たいと思っていた。
慧「Aちゃん、痩せた？」
『気付きました？私今、ダイエット中なんですよ！』
慧「…そう、なんだ」
伊野尾先輩はこういうのに鋭いからな。バレないようにしないと。
慧「………」
●
『面白かったー♪』
慧「シャンクスまじ格好良くない！？」
『あれはずるいですよね！』
映画館近くのカフェで二人でONE PIECEについて話し合う。仕事上一人の時のが多いけど、友達と行った時はこうやって映画見終わったあとは必ず飲食店に寄るのだ。
慧「そうだ。俺、Aちゃんに聞きたいことあったんだ」
『？なんですか？』
慧「………、俺にさ、なにか隠してない？」
『…っ、』
ドキリ、
『や、やだなぁ！伊野尾先輩ったら！何も隠してないですよ！』
慧「無理して笑わなくても良いんだよ」
『……っ、な、んで、』
不意に溢れる涙。
伊野尾先輩の真っ白で綺麗な手が、カーディガンをゆっくりと捲った。
慧「……この痣、誰に付けられたの？」
その声は、普段の伊野尾先輩からは想像出来ない
とても低い声だった。
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凛音(プロフ) - 楽しく読ませてもらいました！次回作のアンケートに答えてきます！ (2023年4月14日 13時) (
レス) @page50 id: f2426a3f71 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - はい！次回作の方も是非読まさせていただきます！！ (2023年4月11日 22時) (レス) id: 94048c48c4 (このIDを非表示/違反報告)
なな姫(プロフ) - 近々執筆開始致しますので、その時はまたご愛読のほどよろしくおねがいします！ (2023年4月11日 7時) (レス) id: cf5c6ec2c3 (このIDを非表示/違反報告)
なな姫(プロフ) - あかねさん» コメントありがとうございます！そのように言っていただけて光栄です！プライベートで弱々になる山田涼介が居ても良いんじゃないか！と思い執筆いたしました。次回作はまだ頭の中で構想を練ってる途中です。 (2023年4月11日 7時) (レス) id: cf5c6ec2c3 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - 主人公ちゃんと涼介の２人はどうなるのか。またはいつくっつくのかが楽しみで楽しみでしょうがなかったです♪ (2023年4月10日 22時) (レス) id: 94048c48c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なな姫
| 作成日時：2023年3月6日 16時
