ファン公認の山田くんの幼馴染み。PART2《HJ》《R.Y》

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「姫野愛花でぇす♡よろしくおねがいしまぁす♡」


『うん、よろしくね、姫野さん』


6月の半ば頃、7月からはじまる新しいドラマの撮影が始まった。金曜ナイトドラマ枠で放送される、「となりの悪女にご用心」というもの。私の前に立っているこの子は私とダブル主演する姫野愛花さん。


なんと新人なのにドラマの主演に抜擢された異例の女の子。


『愛花ちゃんって肌綺麗だよね』


姫野「え〜？そんなことないですよぉ♡Aさんの方が綺麗だと思いまぁす♡」


とても可愛くてお化粧もバッチリな彼女は、どうやら語尾を伸ばすのが癖らしい。


姫野「そう言えばAさんって、あのHey!Say!JUMPの山田涼介くんの幼馴染みなんですよねぇ？」


『え？うん、………そうだけど』


姫野「羨ましいなぁ。アイドル……しかもジャニーズと幼馴染みなんて」


『小さい頃からずっと一緒に居たからね』


姫野「えっ！？じゃあお風呂も一緒に入ったんですかぁ？」


『…まぁ、』


姫野「え〜〜！？羨ましい！愛花もジャニーズの幼馴染み欲しかったなぁ」


最近の子はグイグイ来るな。そう思いながら私はメイクを始める。そのあとも愛花ちゃんは涼介とは何処で知り合ったのか、とか涼介の好きな食べ物やら趣味やらを色々聞いてきた。


『(でもあしらったりするとこういう子って逆ギレしそうなだからそこが怖いのよね)』


本当は教えたくない。


私の大切な幼馴染みのことは。


姫野「Aさんと涼介くんって付き合ってるんですか？」


『………、付き合って……は、ないかな』


姫野「へ〜……そぉなんだぁ♡」


なんか、嫌な予感。

　
「撮影始まりまーす！」


姫野「はぁい♡今行きまぁす♡」


『はあ、』


姫野「あ、Aさん。これからも涼介くんのこと、色々教えてくださいね♡」


『え？なんで？』


姫野「(小声)教えないと、涼介くんもろとも、後で痛い目に合いますよ♡」


『……っ、分かっ、た』


ごめん。


ごめんね、涼介。



私があのとき断っておけば



涼介「A！！A！！！しっかりしろ！！！」



貴方が私のことで



あんなに悲しむ思いは



しなかったかもしれないのに。

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