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善「嘘でしょ!?鬼出るんですか、この汽車!」
煉「出る!」
善「出んのかい!!嫌ぁーっ!!鬼の所に移動してるんじゃなく、ここに出るのー!?嫌ぁーっ!俺、降りるぅ〜!!」
恐怖で身悶えしている善逸の肩を”諦めろ“とでも言うようにAが肩を叩いた。前のAだったら善逸と同じ反応をしていたかもしれない。
煉「短期間のうちにこの汽車で40人以上の人が行方不明となっている。数名の方剣士を送り込んだが、全員消息を絶った。だから、柱である俺が来た!!」
『私は付き添いだけどね』
煉「む?付き添いではない!共に任務を遂行するのだろ?」
『そうですけど……』
だがやはり、今の自分ではまだまだ杏寿郎の隣に並べない、と思うAであった。
善「はぁぁぁぁぁーーっ!!!なるほどね!降ります!降りまーす!!」
善逸が両手で頭を抱えて泣き叫ぶ。と、後方の車両に続く戸が静かに開いた。ゆっくりとうつむき加減に車掌が歩いて来る。
『(………。なんだろう。なんか変な感じ……)』
車掌「……切符……拝見………、致します……」
ボソボソ呟きながらこちらに向かって歩いて来る。Aは車掌を睨み付けた。
炭「なんですか?」
煉「車掌さんが切符を確認して、切り込みを入れてくれるんだ」
杏寿郎、A、伊之助、善逸の順番に改札鋏で切り込みを入れていく。炭治郎が席を立ち、車掌に歩み寄り切符を差し出す。
車掌が切符を受け取ったその時。
『………』
天井の灯りが点滅した。
そして
車掌が炭治郎の切符に切り込みを入れた。
『っ!?』
Aは柄に手をやり、いつでも日輪刀を抜刀出来る体勢をとる。
車掌「切符……拝見……、致しました……」
何も変わらない車内。だがAは嫌な空気を感じ取っていた。
煉「……」
それは杏寿郎も同じだ。己の席で瞑目していた杏寿郎が何かを察したのか、ゆっくり瞼を開けて立ち上がった。Aはそんな杏寿郎に声を掛ける。
『煉獄さん』
煉「うむ。分かってる。車掌さん!危険だから下がってくれ!火急のこと故、帯刀は不問にしていただきたい!」
客車の奥の戸を見据えながらそう告げる。杏寿郎が見つめたそこに突如鬼が現れた。
煉「その巨軀を!隠していたのは血鬼術か!気配も探りづらかった!しかし、罪なき人に牙を剥こうものならば、この煉獄の赫き炎刀が、お前を骨の髄まで焼き尽くす!」
杏寿郎はそう叫び、己の赤い日輪刀を抜刀した。
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ななこ(プロフ) - ミアさん» コメントありがとうございます!ドラマCDの胡蝶姉妹、良い話ですよね(泣)分かりました!書かせていただきます! (2022年1月31日 22時) (レス) id: f3c05740c2 (このIDを非表示/違反報告)
melody(プロフ) - はじめまして!読ませて頂きました。続きがとっても気になります。更新楽しみにしてますのでよろしくお願いします。 (2022年1月31日 21時) (レス) @page38 id: 648912d438 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - ドラマcdで胡蝶三姉妹のような宇髄家の過去の日常をリクエストします! (2022年1月31日 21時) (レス) @page38 id: baa6bfc0d1 (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - 月の舞さん» コメントありがとうございます!キメツ学園はいつか書こうかな、と思ってたので、番外編みたいな形で書かせていただきます!これからも応援よろしくお願いします! (2022年1月31日 19時) (レス) id: f3c05740c2 (このIDを非表示/違反報告)
月の舞 - ななこさん» 無限列車編 終わりましたね…。いよいよ遊郭編か、楽しみです‼️リクエストいいですか?キメツ学園編も見てみたいなぁ〜。遊郭編の後でも構いません💦 更新頑張ってください‼️応援してます (2022年1月31日 12時) (レス) id: 6295bdffb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななこ | 作成日時:2022年1月12日 14時