【ヒロアカ】クズ先輩とタフネス君【男主】 (ページ9)

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８話ページ9

『…大体ね、経験だけなら君の方が上だと思うよ爆豪勝己。君は以前、敵と相対している。』

一年前のヘドロ事件の事だ。爆豪は既に敵と相対するという実戦を経験している。それはAにはないものだ。
Aはテレビや本での知識はあるし、生で敵を野次馬として見た事もあるが、実際戦った事はない。

そういう意味では爆豪はAより一歩先に行ってると言っても過言ではない。

「っっ、そ、かもしれないんスけど…。俺は先パイに教えてもらいたいんスよ！」

『……なんで俺にそこまで拘るかな。知識量で言ったら3年でもいいだろ。似た個性だからか？』

「それもある、…けど……。」

言いながら爆豪は俯き、何か言いづらそうにしている。
数秒後、意を決したようにまたゆるゆると顔を上げた。

「……憧れている人が近くにいるんだ。特訓付けてもらいたいって思っちゃ悪いスか。」

そう言い放った彼の頬や耳は薄っすらと赤くなっており、いつも吊り上がっている目は幾分下がっている。
だけど、その目は真剣そのもので、嘘偽りのないものだった。

彼と出会ってまだ二日目だが、こういう表情も出来るのかと意外に思う。

ああ、本当に止めてほしい。そういう顔を俺に見せるな。

普段そんなに表情を変えないAは彼にバレないようAは眉を少し潜め、苦虫を噛み潰したような表情をする。

本当に―――。

『本当、お前女だったら良かったのにな。』

「うるせぇ！で、どうなんだ！やってくれるんスか！？」

『ヤだね。面倒くさい。』

「だああああああ！！！！」