【ヒロアカ】クズ先輩とタフネス君【男主】 (ページ34)

今日:4 hit、昨日:7 hit、合計:324,221 hit

３３話ページ34

『お願いします。帰ってください。本当に相手できません。お願いします。』

「お邪魔します。」

『なあ、どうやったら俺の切なる願いがお前の心に届くんだ？手紙でも書けばいいの？』

放課後、爆豪はお見舞いの為にAの家を訪れた。
寝ていたのか髪には少し寝癖がついていて、眠たげな表情だ。その上熱のせいか頬が赤く、本当に体調が悪そうだった。

前回Aの家に行った時はAの必死の抵抗により結局中に入る事は出来なかったが頭が回らない上に力が入らないのか、すぐに抵抗を止めて泣く泣く爆豪を家に招き入れた。
キッチン付きの狭いワンルームにユニットバス。
家具は折り畳み式のちゃぶ台に本棚と小さい箪笥。必要最低限の物しか置かれていない思ったより片付いた部屋だった。

「何か食ったんすか？薬は？熱は？」

『食ってねえ。俺の家に薬とか体温計なんて高価なもんあるか。』

勝手に中に入ってカバンを下ろしてと、当たり前の様に世話する気満々の爆豪を放っておいて布団に入るAは寝ながら答えた。
その答えに概ね予想通りの爆豪は来る前にコンビニで買った体温計をAに投げ渡す。

「取り敢えず測れ。薬もなんか適当に買ってきたんすけど先に飯食った方がいいっすね。冷蔵庫見ますよ。」

『もう勝手にしろ。』

ビリビリと体温計の包装を剥がす音が聞こえているので、ちゃんと言う事は聞いてくれているみたいだ。

それに内心安心して、冷蔵庫の中を見ると予想通り中身は少なかった。
しかし、何かの料理に使ったのか、使いかけの野菜だったり調味料や米が置いてあったのは予想外だった。

これだけあれば何かしらは作れそうだ。

「簡単にっすけど、野菜雑炊作りましたんで。」

横になってはいるが寝てはいないAの元に消化も良くて胃に優しい雑炊を持っていく爆豪。
見た目も匂いも美味しそうでただただ驚くA。

『うっわ…お前料理出来るのか、きめえ。』

「ぶっかけるぞ。」