恋する乙女よ、嘘をつけ。 (ページ42)

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淡い水色の浴衣を身にまとって、鏡の前で軽くまわってみる。

「いいじゃない」
「この色可愛い」

お母さんが嬉しそうに笑う。

「じゃあ」
「気を付けて」

玄関を出れば、いつもの君の姿。

「A」
「どう？」
「…可愛い」

ちょっと照れたように笑う佑亮。可愛いなぁ。
北村くんと待ち合わせている所まで2人並んで歩く。

「ねぇA」
「ん？」
「…手、繋いでもいい？」

まるで恋人みたいな、

「ちょっとだけね」

隣をみて笑えば、ちょっぴり口角を上げた佑亮が私の手をとる。

「あ～～～～！ずっとこうしてたい！」
「だめー」

握られた右手があつい。気付かない間に男らしくなっていた佑亮の手。
お互い、大人になっていく。

「…佑亮」
「ん？」
「私達ずっと幼馴染でいられるよね？」
「当たり前」

まぁ出来れば恋人になりたいけど。と笑う佑亮。
待ち合わせの場所が近づいてどちらともなく手を離す。

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