恋する乙女よ、嘘をつけ。 (ページ32)

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「やっぱり楽しいよね」
「うん」

私服の先輩を見て改めて3年生だということを実感する。
受験…か。ついこの前やったのに。

「A進路先決めた？」
「んーなんとなくかなー」
「そっか。僕、どうしようかなぁ」

あれから吉野先輩、小笠原先輩はそれぞれ大学へ。
草川先輩は専門学校に進学した。
本当は卒業する前に会いたかったんだけど＿＿＿＿＿

「えっ…熱？」
「うん……ごめん佑亮」
「ううん！大丈夫！」

まさかの熱。唯一先輩たちに会えたのは卒業式の数日前の登校日だけ。それでも小笠原先輩にしか会えなかった。
吉野先輩とか、ちゃんとお礼言いたかったのになぁ。

「どこ目指してるの？」
「んー詳しくは決めてない」
「A、お兄ちゃん××大学だよね？Aもいけるんじゃないの？」
「無理無理！」
「えーー」
「小笠原先輩ぐらい賢かったらね」
「あれは次元が違うよねぇ」

小笠原先輩は有名国公立大学に進学した。やっぱり賢い人は違う…。
吉野先輩と草川先輩は……知らない。正直ものすごーく気になるけど。
私は、結局草川先輩とはそういう運命じゃなかったんだって、

『“運命”と“偶然”って何がちゃうと思う？』

吉野先輩が言った言葉の意味。やっとわかった気がする。

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