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「あっ拓弥」
「あれ、まだ片付けなくていいの？」
「ん？今日、延長」
「あっ……」
目の前で繰り広げられる会話に聞き入る。まだ制服姿の拓弥先輩は慌てた様子で部室から出ていく。
「なんだ、アイツ」
「忘れてたんですかね」
「だろうな」
海先輩はこういうときいつも楽しそうに笑う。
「あ、佑亮バケツの水変えといてくれない？」
思い出したようにあっという顔をする。
「いいですよ！じゃあいってきます」
部屋の隅に置かれたバケツを片手に持って部室を出る。もうすぐ真夏だという気候に思わず眉をひそめる。
「あっついなぁ」
たまにはねる水に涼しさを感じる。気持ちいいなぁ。
「……あれ？A…？と、誰？」
校門の前で嬉しそうに話す男女。誰だ？
「わっ！やっべ！溢れた！」
溢れたバケツに気をむければ、いつの間にかその2人はいなくなっていた。
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作者名：．C | 作成日時：2017年6月19日 11時
