百七十。君はどこに【翔】 ページ20
万が一にも、体調を崩してるなんてことがあったら？
そしたら…会えないなんて言ってる場合じゃない
おもむろにポケットからケータイを取り出して、Aの番号をタップする。
プルルルッ＿＿＿プルルルッ＿＿＿
“留守番電話サービスに接続します……”
無情に流れる、無機質な音声ガイダンス
「A……」
思わず名を口にすれば、彼女の身を案ずる気持ちに拍車がかかる。
何か、あったのか？
今度はエントランスのオートロックインターホンで、Aの部屋番号を呼び出す
…出ない。
合鍵は、いつも持ち歩いてる。
勝手に部屋に上がるのは躊躇われるけど
そうも言ってられない事態かもしれない。
そう判断した瞬間
俺は迷うことなく合鍵を取り出して、ロックを突破した。
エレベーターで部屋のフロアに登る僅かな時間でさえ、焦る気持ちが抑えきれない
.
ガチャッ＿＿＿＿＿＿
「A？」
ドアを開いても、どこにも灯りがついている様子はなかった。
玄関を上がって廊下を進み、リビングの扉を開いてライトをつける。
明るくなった部屋を見渡してもAの気配はまるで感じられなくて
その他にも寝室、衣装部屋、全て確認したところで状況は変わらない。
ただ、そうする中で一つ気が付いたことがあった。
キッチンやバスルームといった水回りが、まるで使用されたような形跡が全く感じられないほど、綺麗な状態のままなこと。
特にキッチンに関しては、Aが使わない日があるとは考えにくい。
おそらく…少なくとも数日以上は家を空けているはずだ。
これ以上、考えを巡らせても埒があかないとみて
一先ずソファに腰掛けた。
「メールも入れるか…」
電話をかけ直してくれるかどうか、情けなくも確信が持てないから…メールも打っておくことにした。
送信し終えたケータイを閉じ、大きな溜息を吐いたら
サイドテーブルに飾られたフォトフレームの中に写る俺とAのツーショット写真が不意に視界に入り、思わず手に取った。
写真の中で穏やかな笑みを浮かべる君を見つめる
麻里奈と向き合え、か…
“お願い…もう、私を解放してよ…”
会社で変わらず麻里奈とは顔は合わせるけど
あれから仕事以外で俺に干渉してくることはなくて。
構えてアイツに接する中、逆に真意が読めない。
向き合うって、どうしたら良いんだよ
“好きです、翔さん”
A…今どこで、何をしてるんだ？______
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ゆり:)(プロフ) - このお話が大好きで再開してくださり、とても嬉しいです。取材を受けられるなんてすごいですね！お店に行ってみたいです！ (2021年10月5日 20時) (
レス) @page31 id: 4c9de357d4 (このIDを非表示/違反報告)
miihoo(プロフ) - こんばんは。お仕事の方もお疲れ様でした。更新もありがとうございます。私もざっくり飲食関係の仕事なので身近に感じて毎回楽しみにしています。そしてこのお話の翔ちゃんが大好きです。続きを楽しみにしてますね！ (2021年10月2日 19時) (レス) @page27 id: 4ea876c979 (このIDを非表示/違反報告)
nao(プロフ) - 続きが楽しみです！楽しみにしています！！ (2021年9月19日 18時) (レス) id: afb0ab4a24 (このIDを非表示/違反報告)
shi(プロフ) - こんばんは。元彼女め…とモヤモヤしますね( .. ) この後の展開がドキドキです！！更新楽しみに待っています！ (2021年5月29日 21時) (レス) id: 4f699932a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ティファニー | 作成日時：2021年5月23日 0時
