【ホークス】空を飛びたい

7 最低最悪のヒーロー ページ8

貴女side



胸に手を当てて、呼吸を整える。
ここで見つかったら、確実に殺される。



ホークス「この前のハイエンドに続いて

今回もこのザマだ、いい加減にしろよ
お前らのボスは能無しか？」



ハイエンド…


2週間くらい前に、パワーアップした脳無
『ハイエンド』が九州に襲来し


エンデヴァーは死闘の末に勝った。
たしかその時もホークスは一緒にいたはず。




じゃあ本当に…彼は全て知ってたの？
それでエンデヴァーを潰そうとしたって事？

こんなに有名なトップヒーローがヴィラン？





荼毘「言っただろ_____お前の信用テストさ。

前回はケガ人ゼロだったが…今回は
随分多くの奴らが巻き込まれたようだな。

上出来じゃねえか
死人が何人出るか楽しみだ」


ホークス「…ハッ

今度からは
もっと正確な情報を頼みたいもんだ」




怒りで震えた。



ヒーローになり損ねた人間として


1人の医者として


ただの市民として


ヴィランは置いといても


私は…この男を許せない。






この場をなんとか離れて、警察に通報しよう。
それが一番得策だ。






細心の注意を払って元の道を戻る



その時




ホークス「…荼毘。近くに人が居る。

俺が始末するから、先に消えろ」




その低い声が、私の足を止めた。
動けなくなったのだ。

テレビでは聞いたことないくらい
冷たくて、鋭くて、低い声。

まるで後ろから刺されたような、そんな感覚。




荼毘「ハッ、盗み聞きとはタチが悪ィ。
任せたぞ」







やばい

逃げなきゃいけないのに
こんな時に限って足がすくむ




そして、ザッと足音が聞こえた。




背後の人影が

大きな翼の影が

私の足元にまで伸びている



ホークス「今の話…聞いてた？」





低いままのホークスの声



どうする？

……いや、どうしようもない。

彼から逃げるのは無理だ。



私はここで死ぬ。
だけど…どうせ殺されるなら



貴「…最低ね」



彼と向き合う。

そして逆光で目の場所すら分からなかったけど
頰をめがけて思いっきり殴った。

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