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目が紅に染まってから二時間が経過した。
「五日後の朝には…もう……。」
ううん、大丈夫。
師範があの時助けてくれなかったらもう私とっくに鬼から吸収されてたから。
「ふぅ……。」
心を落ち着かせる為に外に出た。
雲ひとつなく透き通った星空が目に焼き付く。
「きれいだな…。」
とくに用は無いけれど、
ゆっくりと歩き回った。
「此処は…懐かしいなぁ…。」
師範のおはぎ食べて死ぬほど走らされた道、
呼吸の練習をしたときに使った場所。
師範が日向ぼっこしていた草が生えてる場所。
いつもなら素通りしていた所なのに…鮮明に記憶が戻ってくる。
「………ッ、」
目頭が暑くなって、頬に涙がこぼれる。
只でさえも泣いて眼が腫れてるのに…こんなに泣いたら…師範が迷惑するのに…。
.
『おいッ!A!』
「………!?」
後ろから師範の声がする。
任務が、終わって帰ってきたんだ、
「師範お帰りなさい、」
ニコッと微笑んで話す。
『こんな所でなにしてんだァ?もう大丈夫なんか?』
「…えっと…。リハビリしてました!」
「まぁ病み上がりですから…ね!」
とっさに思い付いた言い訳で何とか誤魔化す。
『そうかよ。家に戻るぞォ、』
「師範!私の首を肩に引っ掻けないで下さいっ!」
「痛いです!」
『お前が、鍛えてねぇだけだ。』
「……ぐぬぬ…。」
.
家に帰りついた。
師範は、今お風呂に入っている。
「…………。」
暗闇だったから…きずかれなかったけど。
炭治郎たちだったら一発でばれてしまう…。
「やっぱ…目の事師範に言わないといけないのかなぁ…?」
師範には、極力言いたくない。
気を使わせたくない…。
ぼーっとしながら考えていた。
前髪を上へ上げる。
「後五日かぁ……。」
『何がだァ?』
「うわぁっ!!!」
「師範!?!?」
「えっと、花城町の私がこの前ほしいと言ってた簪の割引です!」
『そうかァ。』
師範は濡れた髪の毛のまま、隣に座ってきた。
「髪の毛濡れてますよ…?」
「乾かしましょうか?」
『ん…、』
『……!?おまっ、ちょ目っ!?』
「目……!?」
前髪を上へ上げたまま師範の方を向いていた。
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むいくん大好き人間 - とても泣けました!私、涙もろいので、こういうお話すぐに泣いちゃうんですよ。 ゆらぎさん、新作、できるの楽しみにしています!!頑張って下さい!! (2021年4月29日 22時) (レス) id: 585e9768a4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらぎ(プロフ) - 名無しさん» すいません、過去編終わって、夜だからまだ三日あるので、三日にしときました!ご指摘ありがとうございます! (2020年1月27日 22時) (レス) id: 0f4d6815a6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 最新話かあと三日になっています (2020年1月27日 6時) (レス) id: a5eb40352a (このIDを非表示/違反報告)
ゆらぎ(プロフ) - ヒナさん» そう言っていただき嬉しいです!ありがとうございます!!! (2019年12月30日 23時) (レス) id: 0f4d6815a6 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナ - あれ、涙が( ノД`)…とても良いお話しっ!更新頑張ってください!応援してます! (2019年12月30日 23時) (レス) id: fe45ff59f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆらぎ | 作成日時:2019年12月14日 19時